
4月の「景気ウォッチャー調査」では、中東情勢緊迫化、それに伴う原油価格の高騰などを背景に、現状判断DI(季節調整値)は2ヵ月連続で悪化しています。ただ、3月に続き、ロシアのウクライナ侵略が始まった22年2月の数値は下回っていません。本稿では、2026年4月の「景気ウォッチャー調査」から、2026年春の経済情勢をエコノミストの宅森昭吉氏が読み解きます。
中東情勢による不透明感がみられる→内閣府、3月に続き同じ表現
4月の現状判断DI前月差1.4ポイント低下の40.8と2ヵ月連続で悪化。但し、ロシアのウクライナ侵略が始まった22年2月の37.7は下回らず。4月の「景気ウォッチャー調査」では、中東情勢緊迫化、それに伴う原油価格の高騰などを背景に、現状判断DI(季節調整値)は前月差1.4ポイント低下の40.8と2ヵ月連続で悪化となりました。但し、3月に続き、ロシアのウクライナ侵略が始まった22年2月の37.7は下回っていません。中東情勢などの要因を除くと、景況感が底堅いことを示唆していると思います。
また、現状水準判断DI(季節調整値)は前月差1.3ポイント低下の42.4となりました。現状判断DIよりは1.6ポイント高い水準になります。
先行き判断DI(季節調整値)は、前月差0.7ポイント上昇の39.4と下げ止まりました。
なお、原数値でみると、現状判断DIは前月差3.1ポイント低下の41.6となり、先行き判断DIは前月差0.6ポイント低下の39.0となりました。
4月の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方に関する内閣府の判断は、「景気は、中東情勢によるマインド面の下押しを中心に、このところ持ち直しの動きに弱さがみられる」になりました。3月では2月までの「景気は、持ち直している」から「景気は、中東情勢によるマインド面の下押しを背景に、このところ持ち直しの動きに弱さがみられる」に変わりました。4月で「背景」が「中心」に変更されましたが、「持ち直しの動き」というワードは引き続き用いられています。
また、先行きについては、「中東情勢による不透明感がみられる」に3月に続き同じ表現になりました。3月では2月まで5ヵ月続いた「価格上昇の影響等を懸念しつつも、持ち直しが続くとみられる」から「中東情勢による不透明感がみられる」になり、「持ち直しが続く」が消えていました。
[図表2]景気ウォッチャー調査:地域別景気の現状判断DI(方向性)季節調整値 (出所)内閣府
観光型ホテル総支配人から「夏の出控えムード」懸念のコメントも
4月では地域別の他地域が50割れとなるなかでも、沖縄の現状判断DIが13ヵ月連続で50超。但し、先行き判断DIでは沖縄が56ヵ月ぶりに50割れ。地域別にみた4月の現状判断DIでは沖縄が3月の51.5から0.7ポイント低下しましたが、50.8と地域別では唯一50台となり、13ヵ月連続で景気判断の分岐点50を上回りました。しかし、4月の先行き判断DIでは全地域が50割れに落ち込み、沖縄も47.8になりました。21年9月以降55ヵ月連続で続いた50超が終了し、56ヵ月ぶりに50割れになりました。観光型ホテルの総支配人が「夏休みの予約状況が芳しくない。国内線の燃油サーチャージ開始などで外出控えムードが広がることを懸念している」とコメントしていました。
[図表2]景気ウォッチャー調査:地域別景気の現状判断DI(方向性)季節調整値 (出所)内閣府
