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なぜトランプの粗雑な言葉は「本音」に聞こえてしまうのか…政治学者が分析「慎重な言葉が嘘っぽく聞こえる現代病理」

なぜトランプの粗雑な言葉は「本音」に聞こえてしまうのか…政治学者が分析「慎重な言葉が嘘っぽく聞こえる現代病理」

◆第2の柱 敵を一語で固定する技術

トランプ構文の第2の柱は、敵を一語で固定する技術である。「Crooked Hillary」、「Fake News」、「China Virus」といった表現は、複雑な現実を乱暴に切り分けるが、その乱暴さがかえって効く。相手の経歴や主張を細かく検討する必要がなくなるからである。ひとたびラベルが貼られれば、その相手は議論の対象ではなく敵として処理される。

日本の政治家が論点を霧の中へ逃がすのに対し、トランプ氏は論点を敵味方の二色へ塗り替える。複雑さを消し、思考の手間を省き、感情のみを前へ押し出す。この単純化は知的には粗雑であっても、政治的にはきわめて強力である。 支持者は自分の位置をすぐに確認でき、反対者への怒りを共有できるからである。

◆第3の柱 断言の反復が「事実らしきもの」をつくる

第3の柱は、断言の反復で現実を上書きする点にある。「選挙は盗まれた」、「メディアは嘘をつく」、「自分だけが国を救える」。こうした発言は、事実の精査を経たうえで語られるものではない。順序が逆である。まず断言があり、その反復が支持者の心理の中で事実らしさを帯びていく。ここでは事実が言葉を支えるのではない。言葉の勢いが、事実らしきものをあとからつくってしまう。 日本型構文が語らないことで責任を薄めるなら、トランプ構文は語りすぎることで検証の余地を奪う。静かな回避ではなく、過剰な攻勢である。

配信元: 日刊SPA!

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