ニラの栽培環境

適した環境・置き場所
日当たりと水はけがよく、肥沃な土壌を好みます。有機物の多い肥沃な土壌は、白絹病などの発生が少なくなります。雨が降った後に水が溜まりやすい場所は、避けてください。
連作
連作障害は少ないとされますが、連作によりネダニの被害が深刻になることがあります。最低1~2年はあけて植えると安心です。
生育温度
15~25℃が生育温度の目安です。春と秋に最もよく生育します。暑さで弱ることがありません。
冬越し
真冬は地上部が枯れた状態で越冬します。寒さで枯死することはありません。
ニラの苗の入手

種まきするか、市販のポット苗などを入手して植えます。種まきすることで、安価で大量の苗を入手できますが、本格的な収穫は2年目以降になります。初心者は手軽ですぐ収穫できる、ポット苗などを入手するのがおすすめです。
種まきの方法
発芽適温は20℃が目安になりますが、最低温度が10℃以上あればおおよそ発芽します。
3~4月が種まきの適期です。育苗箱などに種まきする場合は、深さと幅がともに1cmほどの溝を作り、溝の間は10cm程度あけます。溝の間にすじまきし、土をかぶせて軽く手などで押さえます。
プランターに植える場合は、直播します。5cm間隔で1cmの穴をあけ、種子を3~4粒ずつ播きます。種まき後はたっぷり水をやってください。
ニラの植え付け

苗の植え付け適期は、5月中旬~6月中旬です。地植えする場合は、同じ場所で数年にもわたって収穫を続けるためには、有機物をしっかりすき込んで土づくりを行ってください。
植え付け準備
2週間以上前に植え付け場所の準備をします。1㎡あたり、3要素が等量の化成肥料150g、腐葉土や堆肥などの有機物3kgを混ぜて耕しておきます。
酸性土壌では生育が悪くなります。苦土石灰などを適量施し、適した土壌酸度(pH)6.0~7.0に調整してください。
植え付け
株間を15~20cmあけ、深さ5cmほどの植穴を掘ります。1穴に3~5株まとめて植えます。適度にまとめて植えたほうが、生育がよくなります。購入したポット苗は、株分けせずにそのまま植えます。浅めに覆土して、植え穴の部分が周囲より低いようにします。後に土寄せしていきます。
土寄せ
地植えした場合は、植え付け後3週間ごとに2~3回、2~3㎝の厚さで土寄せします。
鉢やプランターへの植え付け
ポット苗を入手した場合は、株分けせずに7~8号鉢に2株、65cmプランターに4株を目安に植えてください。深型のプランターや鉢を使う場合は、鉢底石を入れて排水をよくしてください。
用土
弱酸性から中性の、肥沃で排水のよい用土を好みます。野菜用の培養土が気軽に利用できます。
ニラの育て方・日常の手入れ

水やり
強い乾燥は嫌います。土壌の乾燥が激しい場合、たっぷり水やりしてください。
鉢植えやプランターは、表土が乾いたら水やりしてください。水やりが多いと根腐れするので注意しましょう。夏の乾燥が激しい場合は、晴れた日は毎日水やりしてもよいでしょう。
肥料
6~9月が、肥料を与える時期の目安です。収穫後に1㎡あたり化成肥料を30g追肥し、土寄せしてください。追肥を怠ると、生育が衰えます。種まきして1年目の株は、秋に追肥します。
地上部が枯れる12月~翌年1月に、株の周囲に堆肥をまいておくとよいでしょう。土壌改善効果があり、生育がよくなります。
病害虫
比較的病害虫は少ない野菜です。夏頃にアブラムシが発生することがあるので、見つけ次第、早めに防除します。
病気はさび病や乾腐病などが発生するので、見つけ次第防除してください。
ニラの収穫

種まきから育てた場合は、本格的な収穫は2年目からになります。生育の早い「グリーンロード」など、品種によっては1年目の秋からの収穫が期待できます。
葉は1年の間に、4~5回収穫できます。葉が20cm以上伸びたら、地際から3~4cmの位置で切ります。夏は収穫すると株が弱るので、控えたほうがよいでしょう。
夏頃に花茎が伸びて花が咲きますが、つぼみのうちに地際から3cmの位置で切れば、花ニラとして食べることができます。
ニラの作業

捨て刈り
古い葉を刈り取って、質のよい新しい葉を出させるための作業です。夏に収穫しなかった古い葉などを、地際から3~4cmの位置で切ります。秋の収穫の15日前を目安に行いますが、作業は9月上旬までに済ませてください。
植え替え(改植)・株分け
植えたままにすると、葉が小さくなってきます。植えてから3~4年後の春か秋に掘り上げ、株分けしてから別の場所に植えます。
根が動き始める2月下旬~3月上旬に行うのがおすすめです。根から5cmくらい残して残りの葉は切り、1株ずつに分けます。2週間前から土づくりしておいた場所に3株くらいずつまとめて植えますが、葉が触れ合わないように少し間隔をあけてください。
ニラの栽培ポイント

- 日当たりのよい場所で育てる
- 肥沃で排水のよい土壌を好む
- 種まきから1年目は多く収穫できない
- 柔らかい葉を多く収穫するには、肥料をしっかり与える
- 花を咲かせると、株に負担がかかる
- 3~4年ごとに植えなおす
鉢やプランターで栽培できるので、ベランダなどでも育てられ、新鮮なニラを繰り返し味わうことができます。栄養豊富で多く収穫できるので、重宝することでしょう。病害虫も少なく、栽培に失敗することも少ないです。ポット苗などを入手すれば栽培は簡単なので、気軽に挑戦してみてください。
Credit 文 / 小川恭弘 - 園芸研究家 -
おがわ・やすひろ/1988年、東京農業大学農学部農学科卒業。千葉県館山市の植物園「南房パラダイス」にて観葉植物、熱帯花木、熱帯果樹、多肉植物、ランなど温室植物全般と花壇や戸外植物の育成管理のほか、園全体のマネジメントなどの業務に18年携わる。現在フリーランスとして活動。著書に『わかりやすい観葉植物』(大泉書店)、『ハイビスカス』(NHK出版)がある。
