異なる得意分野を持つ2人のシェフによるタッグ

就任した鈴木涼介シェフ(左)と加藤一昭シェフ(右)
新生【虎峰】で最も注目すべきポイントは、異なるバックグラウンドを持つ2人の実力派シェフを招聘したことです。四川料理一筋で10年修業を積んできた加藤一昭シェフと、【聘珍樓(へいちんろう)】をはじめ、数々の広東料理店で腕を磨いてきた鈴木涼介シェフ。

広東と四川の熱戦を思わせるようなラインアップに胸が躍ります
「調理法や使う食材も異なる2人の経験を、一つのコースの中で表現します」とは総料理長の金子優貴シェフ。目の前で繰り広げられるのは、広東料理の繊細な技と、四川料理のパワフルな辛みや熱さが交互に提供される今までにない楽しいコース構成です。アルコールペアリングはもちろん、ノンアルコールで楽しめるティーペアリングも健在です。
前菜8品

見た目からインパクトのある前菜。左手に広東料理の、右手に四川料理のメニューが並ぶ
その楽しい組み合わせは、コースのスタートを飾る豪華な8種類のお皿からさっそく体験できます。左上から、広東料理の伝統的な魚のサラダ『縞鯵 鳳城魚滑(フォンセンユイワー)』に始まり、グラスに入った『くらげ 酢橘』や、まろやかな甘みとシャクシャク感がおいしいカボチャの『コリンキー南瓜 甘酢漬け』など、さっぱりとした爽やかなおいしさが口いっぱいに広がります。

『縞鯵 鳳城魚滑(フォンセンユイワー)』。醤油ベースのソースにわさびとピーナッツのコクがほんのり香り、ポリポリとした食感がとてもいいアクセントになっています
また、あえて同じ食材を使用することで、両者の調理法やアプローチの違いを体験させるような仕掛けも。広東料理の伝統的なチャーシューは、香ばしい醤油の香りとじんわりと滲み出る深い甘み、ぶりっとした肉厚な食感が秀逸です。対する四川料理は、甜醤油という甘醤油とにんにくを使った甘辛い味付けの『雲白肉(ウンパイロウ)』が並びます。薄切りにすることで中まで味が染み込んでいて、爽やかなスパイス感の奥に先ほどと同じ肉の旨みがしっかりと感じられる、面白い食べ比べです。

宮城県産の「漢方三元豚」を使用して仕上げた『叉焼』(左)と、『雲白肉』(右)
さらに薫香がフワッと鼻に抜ける伝統料理『国産鴨 樟茶鴨(ジャンチャーヤー)』や、広東の甘酢と対照的に、野山椒という青唐辛子の酢漬けとレモンを効かせた『ラディッシュ 泡菜』。青ネギと山椒のソースが鮮烈な『アオリイカ 椒麻(ジャオマー)』など、一皿ごとに目まぐるしく飽きさせません。

この緻密な前菜に寄り添うのが、生産量ナンバーワンを誇る滋賀県産の煎茶。心地よい渋みと豊かな旨みが、両者の個性を品よく繋いでくれます
