
多肉植物やサボテンをインテリアグリーンとして楽しむ人が増えています。一方で気になるのが室内の光環境。植物育成ライトメーカーBRIMへの取材をもとに、白色光と暖色光の違いをひもときながら、植物も暮らしも心地よい育成ライト選びについて考えました。
「植物も暮らしも心地よく」そのための植物育成LEDライト選び

多肉植物やサボテンは日光を好む植物。
しかし、室内栽培では、窓の向きや周囲の建物の影などによって、十分な光を確保できないことも少なくありません。
特にアガベやユーフォルビア、塊根植物、サボテンといった「ビザールプランツ(珍奇植物)」のような、たくさんの光を必要とする植物をインテリアグリーンとして楽しむ場合、置きたい場所と植物にとって理想的な場所が一致しないこともあります。
そんなときに役立つのが植物育成LEDライト(以下、育成ライト)です。
ところが・・・、

「白い光が部屋で浮いてしまいそう」
「リビングに置くには無機質な印象が気になる」
「まぶしい光は苦手」
そんな理由から導入をためらっている方もいるのではないでしょうか。
けれど近年では、インテリアに自然となじみやすいマイルドな「暖色光」タイプの育成ライトも登場しています。
今回は植物育成ライトメーカー「BRIM」に話を聞きながら、植物も暮らしも心地よくする、暖色光という選択肢について考えてみました。
なぜ植物育成ライトは白色が主流なのか
「多肉植物やサボテンには白色がいい」といわれてきた理由
現在、植物育成LEDライトは各メーカーからさまざまな製品が販売されていますが、その中でも特に人気を集めているのが、中央に高出力LEDを配置した電球型で、まばゆいほどの白色光を放つタイプです。

ビザールプランツを育てるユーザーの間では、SNSやネットの栽培情報の発信を通じて、白色光が育成に適していると考えられ、広く共有されています。
もちろん間違いではありません。
白色光が植物育成に適しているとされる理由のひとつが、植物の育成に関わる光の波長です。
一般的に、青色の波長は葉や茎の成長を促し、赤色の波長は開花や結実に関わるとされています。

白色系の育成ライトは青色の波長を比較的多く含むため、葉を充実させたい観葉植物や多肉植物、茎(=塊根部)を太らせたい塊根植物との相性がよいと考えられています。
さらに近年では、LED技術の進歩により、
太陽光に近いスペクトル(光の要素)を再現した高性能な白色LED搭載の育成ライトも数多く登場しています。
そうした製品が優れた育成実績を積み重ねてきたことから、白色光はビザールプランツの育成に適した光源として広く利用されています
【波長とは?】
▼補足:
【波長とは?】「波長」という言葉を聞くと、何やら難しい科学用語のように感じるかもしれません。
しかし簡単に言えば、波の1周期分の長さのことです。
光も実は、波の性質を持っています。
私たちの目にはただの「光」として見えていますが、実際には細かな波が高速で進んでいます。
例えば、水面に石を投げ入れると波紋が広がりますよね。
このとき、ひとつの波の山から次の波の山までの長さをイメージすると分かりやすいでしょう。
それと同じように、光にも波の長さがあるんです。
この波の長さを「波長」と呼びます。
波長は、波の長さの違いによって、私たちには赤や青といった色の違いとして見えます。
一般的には、光が赤色に近づくほど波長が長くなり、青色に近づくほど波長が短くなるという特徴があります。
下図をご覧いただければ分かるように、光は波長によってさまざまな色があり、すなわち、波長は光の色を決める要素なのです。
白色光には多肉植物を美しく見せる魅力もある
白色光が支持されているもう一つの理由は、ビザールプランツを、美しく、そしてドラマティックに見せてくれることです。
例えばアガベの鋸歯(きょし)状のトゲや葉の立体感、ユーフォルビアの幹肌の質感、塊根の凹凸が作り出す陰影、サボテンのトゲが作り出す陰影など、白色光には、そうしたビザールプランツの細かなディテールを、強めのコントラストではっきりと見せる効果があります。

また、個体の持つ本来の色彩を楽しめるという特徴もあります。

さらに現在、多くの育成ライトには、「フルスペクトル」の光が採用されています。
これは植物の生育に必要とされる幅広い波長を含んだ光のことで、自然光に近いバランスを目指して設計されたものです。
そのため、フルスペクトルの白色光育成ライトは、植物本来の色彩や質感を自然に見せながらも、成長に必要な光を確保できることが大きな魅力といえるでしょう。
実際に、ビザールプランツを多く取り扱う園芸店や、園芸系イベントなどでも採用されていますし、植物そのものを主役として楽しみたい人にとっては打ってつけのライトといえます。
【フルスペクトルについてもっと知る!】
:【フルスペクトルについてもっと知る!】太陽の光は、一見すると白く見えます。
しかし実際には、虹と同じように、赤やオレンジ、黄色、緑、青、紫など、さまざまな色の光が混ざっています。(下図参照)
植物は、そのさまざまな色(=波長)の光を利用しながら成長しています。そこで生まれたのが「フルスペクトル」という考え方です。
フルスペクトルの育成ライトは、特定の波長の色だけを強く出すのではなく、太陽光のように幅広い色の光をバランスよくLED光に含むよう設計されています。
ひと昔前の育成ライトには、赤色や青色の(波長の)光を強調したために、照射している範囲が紫色やピンク色に見える製品も少なくありませんでした。
一方でフルスペクトルの育成ライトは、私たちの目には自然な白色光や暖色光に見えながらも、植物が利用できるさまざまな波長を含んでいるのが特徴です。
例えるなら、植物に必要な光の栄養を、偏って与えるのではなく、バランスのよい食事を用意するように与える、といったイメージです。
だからこそ現在では、インテリア性と育成性能を両立しやすい光として、多くの植物育成LEDライトで採用されています。
