◆日本市場という「スター候補」の価値
それでも、想定より高い順位で指名される可能性を完全には否定できない。その理由の一つが、日本市場という付加価値だ。もちろん、MLB球団がマーケティングだけでドラフト順位を決めることはない。ただ、実力評価が拮抗した選手同士なら話は変わる。将来的にメジャーでレギュラークラスへ成長した場合、日本企業とのスポンサー契約や放映権、グッズ販売などを含めた市場価値は決して小さくない。
純粋な野球選手としての評価に加え、「日本を代表するスター候補」という付加価値が、最後の一押しになる可能性は十分ある。
日本ではソフトバンクも静かに、そして着実に動いている。昨秋のNPBドラフトで交渉権を獲得して以降も接触を重ね、今回の福岡訪問では背番号1の提示を受けたとも報じられた。球団の本気度がうかがえる動きである。
◆ソフトバンク最大の課題は「将来のメジャー挑戦」?
しかし、最大の論点は「将来のメジャー挑戦」だ。ソフトバンクはこれまで、ポスティングシステムによる移籍を原則として認めてこなかった。もし佐々木が「メジャー最優先」という考えなら、それだけで答えは出るかもしれない。それでもソフトバンクが有力候補として残っているのは、将来的なキャリア像についても話し合われていると考えるのが自然だからだ。
もちろん、その内容は明らかになっていない。ただ、「一定の実績を積んだ後の挑戦」や「双方が納得できるタイミング」といった将来像まで提示できなければ、メジャー志向を持つとみられる佐々木の心を動かすのは簡単ではないだろう。その意味でも、MLBドラフトの結果は大きな判断材料になる。

