元夫ですか?死んでるんじゃないかしら…都営住宅に暮らす70歳女性、「年金12万6000円」で徹底する倹約生活。息子からの小遣いも孫のお年玉にあて、コツコツ貯めた「驚きの貯蓄額」

元夫ですか?死んでるんじゃないかしら…都営住宅に暮らす70歳女性、「年金12万6000円」で徹底する倹約生活。息子からの小遣いも孫のお年玉にあて、コツコツ貯めた「驚きの貯蓄額」

「年金生活・都営住宅在住」と聞くと、少ない収入のなかで苦しい生活を強いられていると想像する人も多いだろう。だが、先を見据えた選択と徹底した倹約によって、しっかりと貯蓄を築いている人もいる。29歳で結婚後にシングルマザーとなり、70歳まで働き続けた野坂さん(仮名)は、多額の貯蓄がある今もなお、倹約生活を続けているという――。ルポライター・増田明利氏の著書『今日、年金暮らしになった』(彩図社)より、年金生活者の“生活のリアル”を追う。

公園でお昼を食べるのが日課…年金生活を送る70歳女性の日常

氏名……野坂英子(70歳)

現住所……東京都江戸川区 家族構成……単身、息子夫婦は千葉県船橋市在住

年金額……約12万6000円

その他の収入……なし、預貯金から1万5000円~2万円補填

住居形態……賃貸、都営住宅 維持費……家賃2万3000円

健康状態……たまに腰痛、膝痛が出るが慢性疾患はなし

児童公園にある東屋風の休憩所。3週間前からここでお昼ご飯を食べるのが野坂さんの日課だ。今日のお昼は自宅で作ってきた玉子サンドとバナナ、飲み物は保温水筒に入っている玄米茶。天気の悪い日、風の強い日以外はほぼ毎日ここに来ている。

「わたし、都営アパートで暮らしているんですが、部屋の前に別棟があるものだから10月から春のお彼岸頃までは日当たりが悪いのよ。カビでも生えたら嫌じゃない。家に居るだけじゃ誰とも話さないでしょ。それじゃ認知症になってしまいそうだからなるべく外に出るようにしているんです」

団地内には顔見知りで挨拶を交わす程度の人が何人かいるが、互いの部屋を行き来するとか一緒にどこかへ出かけるような親しい人はいないということだ。

今年70歳になった野坂さんは年金生活者。1か月当たり約12万6000円の年金を受給して、都営アパートで一人暮らしをしている。

「生活に余裕があるというわけではない。倹約することに腐心する毎日だけど、今のところはそれほどつらくはない。貧乏暮らしが長いと生活の知恵というものがいろいろ身に付くんです。先のことは分からないけど、他人様にやっかいをかけないようにしたいわね」

29歳でトラック運転手と結婚も、夫のギャンブルが原因で離婚

野坂さんは高校卒業後に金属加工会社に就職、工場の庶務や資材管理の事務職として働いていた。結婚したのは29歳のとき、相手は2歳年上でトラックの運転手だった。結婚後は専業主婦になったが、夫がギャンブルに入れ揚げるようになってしまい家庭崩壊。子どもを連れて離婚したという過去がある。

「競馬で大穴を当てたのが良くなかったのね。今で言うギャンブル依存症みたいになって、仕事を無断で休む、あちこちのサラ金で借金する、自分の親を騙してお金をせびる……。こんな塩梅でしたね。元の夫のことですか? 泥棒して刑務所に入ったことまでは知っているけど、その後のことは分からない。自分の親兄弟からも絶縁されたという話を聞いた記憶はあるけど、とっくの昔に他人になりましたからね。もう死んでるんじゃないかしら」

離婚に際して慰謝料や財産分与などは一切なし。子どもの養育費さえ払ってくれなかったそうだ。

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