元夫ですか?死んでるんじゃないかしら…都営住宅に暮らす70歳女性、「年金12万6000円」で徹底する倹約生活。息子からの小遣いも孫のお年玉にあて、コツコツ貯めた「驚きの貯蓄額」

元夫ですか?死んでるんじゃないかしら…都営住宅に暮らす70歳女性、「年金12万6000円」で徹底する倹約生活。息子からの小遣いも孫のお年玉にあて、コツコツ貯めた「驚きの貯蓄額」

「息子の思いやり」が心の支えも、もらったお小遣いはお年玉に

「70歳になって得なことは、医療費の窓口負担が3割から2割になったことですね。特に歯科は高いでしょ、1割違うのは大きいのよ。今のところ大きな病気を抱えているわけじゃないし生活習慣病もないから医療機関とはあまりお付き合いがない。けど、周りの人は72歳過ぎるとあちこち不具合が出ると言ってるから医療費の負担は小さい方がいい」

親が苦労していた姿を見ているので息子は優しい。ほぼ毎月のように立ち寄ってくれるので何かと相談できるのはありがたい。

「食費のことなんですけど、1か月2万5000円ぐらいでやっていると話したら、『母さん、何を食べているんだ』と心配してくれて、缶詰、パックのご飯、野菜ジュースなどを差し入れてくれてね。食べるのに困っているわけじゃないから大丈夫だと言ってるんですが、今月はカップ麺を1ケース持ってきた」

たまにお小遣いをくれることがあるが、もったいなくて使えない。封筒に入れておいて、お正月に孫がきたときにお年玉として返している。

「これから孫にお金がかかるようになる。上の女の子は来年に小学校に上がるからランドセルか学習机をプレゼントしてあげたいし、11月には2人目が生まれるので女の子だったらひな人形を、男の子だったら五月人形を買ってあげたい。おばあちゃんはシブチンなんて思われたくないもの」

近所付き合いにもお金は必要。地域のお祭りでは寄付を頼まれることがあるし、年末になると歳末助け合い運動で募金を集めに来る。

「どれも任意で払いたくなければ払わなくても問題ないけど、200円、300円を拒否したら陰で何と言われるか分からない。団地暮らしだとこういうことって面倒なのよ」

心配事は、病気と死後の「お墓」

ここ数年で急に心配になったのは、体調を悪くしたり倒れたりしたらどうしようかということ。今のところは生活習慣病や既往症はないが年齢が年齢だけに、いつ何があるか分からない。

「団地では孤独死がけっこうあるみたいです。都営住宅の募集案内には一般の住戸とは別に、居室内で病死等があった住宅の募集という枠がいつも載っていました。「病死、5日後発見」「室内で事故死、詳細不明」「室内で自殺、3日後発見」という注釈が付いている部屋が、毎回300室近くありましたもの。この団地でもわたしが入居する半年ぐらい前に、お風呂場で倒れて亡くなっていたおじいさんがいたということです。孤独死なんて悲しいわよね、絶対に嫌だわ」そんな事態にならないよう、息子には10日ごとに電話している。

もうひとつの悩みは自分が死んだ後に入るお墓のこと。

「お盆休みに息子が来たときにちょっと話したんですが、自分たちのお墓を建てようということになりましてね。息子夫婦も何十年かしたら入るわけだし。調べてみたら宗教宗派不問という霊園があるので一区画買ってお墓を建てようと思っているんです」

最近は合同墓とか樹木葬、海洋散骨などもあるが、やはりそういうものには抵抗がある。マイホームは持てなかったがお墓ぐらいは新しいところに入りたい。

「でも都内だといいお値段ですよ。場所代が畳3分の1ぐらいの広さで70~80万円、お墓自体が120万円以上。諸々込みで200万円は必要みたいです。息子と折半するつもりなんですが」

東京23区内か千葉、埼玉の東京寄りでいいところがあれば即決するつもり。年金暮らしになっても悩みは尽きない。歳を取るのは厄介で悲しいことだと思う。

増田 明利

ルポライター

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