「片付けても、翌日には元通り」実家片付けでぶつかった壁

認知症介護の中でも、特に大変だったのが“実家の片付け”でした。最初に手をつけたのは、母の寝室。
「まず、“寝られるスペースを作らなきゃ”って思ったんです」
服の山を片付け、クローゼットへ戻しても、翌日行くとまた全部出されている。そんなことの繰り返しだったそうです。
「正直、“昨日片付けたのに……”って、すごく無力感があり、しんどかったですね」
それでも、生活動線だけは確保しようと、少しずつ不要な物を整理していきました。
「今は着ないだろうなっていう服を、母にはわからないように少しずつ減らしていったんです」
一気に捨てると不安がるため、“安心感が残る程度”に少し物を残すことも意識したそう。
母が30年続けたお好み焼き店を、今も一緒に守っている

えんこさんの母は、30年以上お好み焼き店を営んできました。
認知症が進み始めた頃、医師から「生活環境を急に変えない方がいい」と言われたこともあり、
「お店を続けることが、母のリハビリになるかもしれない」
と考えたそうです。
当時、えんこさん自身は別の仕事をしていましたが、ご主人とも相談し、母と一緒に店を続けることを決意しました。
現在は、介護状況に合わせながら、週に3〜4回ほど昼夜、夜だけ営業を続けています。
「常連さんも母の状況を理解してくださっていて。無理のないペースでやっています」
お店に立つことは、母にとって“社会とのつながり”でもあるのだといいます。
また、母を心配して訪ねてきてくれる場所でもありました。

