
恋愛、心身の不調、そして性との向き合い方など、人生を大きく変えた出来事を振り返りながら、「性を大事にすること」の意味について、自身の経験をもとに率直な思いを語ってもらった。
◆結婚目前、「精神科に行くな」と言われた半年間

東:コロナ禍に入る直前に、結婚を前提にお付き合いしていた方がいたんです。その彼は自ら「膣内射精障害だと思う」って言っていたんです。にもかかわらず、彼は「もし結婚するなら、子どもは4人欲しい」とも言っていたんです。
――「だと思う」ですから、お子さんはできますよね。
東:それなら早く結婚したいね、という話にまでなったんです。でも、コロナ禍ということもあり、私がうつ症状や月経不順にもなり、気分の落ち込みがどんどん深くなっていってしまったんです。本来であれば、婦人科でホルモン系の治療を受けるだけではなく、精神科にも通うべき状態だったんですけど、彼は「精神科には行くな」という考えだったので、半年くらいは婦人科だけで治療していたんです。
――それはつらい状況です。
東:精神科に行き適切な治療も受けなかったので、できることがどんどん減っていったんですよ。その状況を見た私の両親が彼に「娘を精神科に行かせてほしい」と頼み込んでくれたんです。それでようやく受診できることになりました。
――病院ではどう言われましたか?
東:診察を受けたら、「かなりひどい状態ですね。まずは休んでください」と言われました。それで彼の実家で静養させてもらうことになったんです。でも、その後に「うちでは面倒を見きれないから」という話になり、彼から「入院してほしい」と言われたんです。
――今度は逆に入院を勧めるんですか。
東:私はそのとき、「わかりました」という形で受け入れたんですけど、本来、精神科への入院というのは主治医の先生から勧められるものだと思うんですよ。でも、そのときは彼の意向で入院することになったんです。それで精神科の薬の処方も始まり、少しずつ状態はよくなっていったんですけど、入院して1か月ほど経ったときに、電話で突然「別れよう」と言われたんです。
――それは突然ですね。
東:そうなんです。そのときはパニックになってしまって電話を切ったんです。その後、話を聞いたら、私たちが住んでいたマンションが解約されていて、私の住民票は私の実家に、彼も自分の実家に変更していたんです。
◆入院中に突然告げられた別れと住民票移動

東:なので、話し合いもないまま、強制的に別居させられたような状態でした。
――その前にひとつ聞きたいんですが、東さんの状態が悪くなったとき、なぜ精神科に通わせてもらえなかったんですか?
東:その彼が医者だったんです。
――何科だったんですか?
東:内科系です。
――精神科ではなかったんですね。
東:そうなんです。内科系の専門医として働いていました。彼が大学病院に勤めていたときに、精神科にも通っている患者さんを診ていたこともあって、精神科に対する偏見が強かったんだと思います。あと薬に対する知識もあったので、精神科の薬はできるだけ避けたいものという考えがあったんだと思います。
――なるほど。それは理不尽な話ではありますけど、そういう考え方だったんですね。さらに少し話を戻しますが、その彼とはどこで出会ったんですか。
東:結婚相談所です。
――結婚相談所ですか。正直、意外です。こんなに綺麗な方なら普通に出会いがありそうですが。
東:出会いはありますけど、お付き合いをする人が結婚を目的としているかどうかは別じゃないですか。
――確かに。
東:私は恋愛よりも結婚をしたかったんです。婚活アプリもやっていましたし、お付き合いしていた人もいたんですけど、結婚には至らなかったんです。それで本腰を入れて婚活しようと思い、結婚相談所に入りました。
――ご自身では言いにくいと思いますけど、モテるほうですよね。
東:あ~、多分モテていたと思います(笑)。でも女子校出身で、その後も女性ばかりの環境だったので、あまり異性との出会いがなかったんです。それに男女の噂になったりするのが嫌だったので、職場恋愛も避けていたんです。
――でも職場恋愛って一番結婚に近い出会いでもありますよ。
東:確かにそうなんですけど、私は派遣社員として働いていたので、仕事上で恋愛関係になるほど、社員の方たちとは深く関わることもなかったんです。

