男性の医療事務として働くということ
──医療事務は女性が多い職業ですが、男性が働くうえで、性別による違いを感じることはありますか?
受付に立っていると、とくに高齢の患者さんからは「あら、男性の受付なのね」「男の人って珍しいわね」と、よく言われます(笑)。
男性であることがマイナスに働いたことはほとんどなくて、むしろ良い面もあるんです。受付に私が立つ日は、大声で怒鳴るような患者さんが減りました。男性の医療事務がいるだけで、カスタマーハラスメントの抑止力になるのは大きなメリットだと思います。
──院内の治安が保たれるのは職場全体としてもありがたいことですね。女性中心の職場では人間関係で悩む人もいると思います。その点はどうでしたか?
私の居た職場環境が恵まれていただけかもしれませんが、人間関係で苦労したことはあまりないんですよね。もしかしたら、男性だからこそ女性特有のグループや派閥に関係なく立ち回れていたのかもしれません。
どの職場でも、先入観を持たずに自分からコミュニケーションを取ることを大切にしていました。周りのスタッフから噂話を聞いたとしても、その話が本当なのかは実際に本人と話してみないとわかりません。周囲の反応に惑わされずに、自分から心を開いて相手と関わることが、良い人間関係を築くコツだと思います。
採用を経験したからわかる「受かる人」の特徴
──前職では採用も担当していたとのことですが、医療事務の採用では何を重視していましたか?

面接で一番重視していたのは、「今いるスタッフとの相性が良さそうか」という点です。どれだけ優秀でも今の職場に合わない人が入ってしまうと、チームワークが悪くなってしまいます。加えて、その人の話し方や表情、会話のキャッチボールができているかといった、コミュニケーション力も見ていました。
経験や資格は、入社後にいくらでも身につけられます。しかし、その人の持つコミュニケーション力や人柄は簡単には変えられないので、面接ではその点を見極めるように意識していました。
──そうは言っても、もし同じような条件や人柄で「経験者」と「未経験者」がいた場合は、やはり「経験者」のほうが有利ですか?
職場の採用方針によると思いますが、未経験の人を採用することも珍しくありません。経験者の場合、「前職ではこうだった」と前職でのやり方に固執してしまう人が時々います。それなら、真っさらな状態の未経験者に入ってもらうほうが、受け入れる側にとってもやりやすい面があるからです。
──では、年齢によって採用されやすさに違いはありますか?
私なら年齢よりも人柄を重視しますね。現場とマッチしていれば、経験や年齢は問いませんでした。実際に採用していた年齢層は10代から50代まで幅広く、とくに多かったのは子育てがある程度落ち着いた40代、50代でした。

