判断のチェックポイント
労働者性は個別事情の総合判断ですが、実務上は次の視点で整理できます。
[図表]判断のチェックポイント
右側の項目に1つでも当てはまるなら要注意。とくに「実務を任せる=事業活動への組み込み」は最大のリスクです。
注意したいのは、就業体験を伴うプログラムが当たり前になったことで、この境界線が年々曖昧になっている点です。いわゆる三省合意の改正※2により、現在「インターンシップ」と呼べるのは就業体験を必須とする類型に限定され、一定要件を満たせばインターンに参加した学生の情報を採用選考に活用できるようになりました。早期選考のルートになるケースもあり、「実務に近い体験をさせたい」という企業側の動機が強まるほど、労働者性のラインに近づいていく。この構造的なジレンマを、受け入れ企業は注意しておく必要があります。
※2 厚生労働省「令和5年度から大学生等のインターンシップの取扱いが変わります」(https://jsite.mhlw.go.jp/shizuoka-roudoukyoku/content/contents/001265743.pdf)
交通費や謝金を払ったら「労働」になる?
もうひとつ、実務でよく聞かれる質問がこれです。答えは「支払いの性質によります」。
交通費や昼食代など実費弁償にとどまる支給は、労働の対価(賃金)ではないため、それだけで労働者性が認められるわけではありません。無給インターンでも交通費支給は一般的で、問題ありません。
一方、作業の成果や従事時間に応じて「謝金」を支払うと、労働者性が認められる方向に働きます。「賃金じゃなくて謝金だから」という名目の言い換えは、名称ではなく実態で判断するという大原則の前では通用しません。払い方次第によって謝金は、労働者性を補強する材料になりえます。
