◆白田・小林の時代には未だ追いつかず
――今大会はレジェンド記録が打ち破られる展開が続出しました。しかし決勝のラーメン対決を例に挙げると、過去の大会では「スープ完飲」が必須だったルールが今は「スープを飲まない」に改変されています。つまり、今と昔の記録を単純比較するのはフェアではない。それでもやはり、大食いのレベルは全体的に上がっていますか?MAX鈴木:まさにおっしゃる通り、今と昔の記録をそのまま比較することはできません。ただ、レベルの底上げは確実にされていると思います。
しかしですよ? 過去に追いつけてはいないですね。僕の師匠であるジャイアント白田さん。あと、小林尊さん。「ドクター西川」こと射手矢侑大さん。そして、キング山本さん。この4人は、僕のなかで「神4(かみフォー)」なんです。おそらく、日本国内でこの人たちを抜ける人は今後も出てこないですね。
――その4人のレベルには今も追いついていない!
MAX鈴木:僕がラーメンを35杯食べて記録を塗り替える前は、射手矢さんが最高記録を保持していたんです。だからと言って「MAXは射手矢より強いのか?」と問われたとしたら、そんなことは1ミリも思わない。記録だけじゃない部分もあるし、数ある記録のなかラーメンを抜けただけだし、さっきおっしゃったようにルール改変もあったので単純比較はできない。
たしかに、昔と比べると全体的な実力はむっちゃくちゃ上がってます。だけど、2000年代に隆盛を極めた第2世代あたりのレベルには到底達していないですね。
――今のところ、白田さんや小林さんたちが活躍していた時代がピーク。
MAX鈴木:圧倒的にあそこです。たぶん、抜かれることないと思いますよ。日本の大食いの歴史であれ以上の時代が来ることはないです。胃袋の容量に関してもそうだし、選手が粒揃いなのもそうだし、実力もそうだし、キャラもそうだし……すべてにおいてじゃないですか? スポーツとしてフードファイトに取り組んでいるけれど、華もあったしエンターテイメントの要素も含めてすごかったです。
◆抜群の存在感を誇った伝説・菅原初代
――お亡くなりになりましたが、女王戦では菅原初代さんが抜群の存在感でした。MAX鈴木:女性だったら菅原さんは頭二つくらい抜けてますよね。アンジェラ佐藤さんは今も現役でバリバリですけど、彼女に聞いてもきっと同じ答えが返ってくると思います。
――女子のなかで菅原さんは別格というイメージがいまだにあります。
MAX鈴木:神4も僕のなかではそういうイメージです。「だいぶ違うよね」という。
――つまり、大食いの全体的なレベルは上がっているけども、その4人はいまだ突出した存在ということですね。
MAX鈴木:「突出しすぎている存在」と言ったほうが正しいですね。それは変わらないと思います。変わってくれたら、めちゃくちゃ楽しい未来が待っていると思いますけど。
――「突出しすぎている存在」が1人でも出れば、その1人に引っ張られてライバル的な存在が2人、3人……と、後に続く期待感もあります。
MAX鈴木:それはあるんじゃないですか? 白田さんも当時、ライバルの重要性についてすごくおっしゃっていました。「あいつには負けない」「いや、俺はあいつには負けない」というガツガツ感、あのギラギラした感じが今はない気がする。
――2000年代はギラギラしてましたもんね。
MAX鈴木:してましたよねえ。でも、理由はわかるっちゃわかるんですよ。賞金でいえば、当時放送されていた『フードバトルクラブ』(TBS)が1000万円。それって、若い人からすると人生が変わり得る金額じゃないですか? そういうのもあるだろうし、時代の流れも関係していると思います。
でも、Ryuさんは今、新時代の扉に手をかけている状態だと思うんです。それを開いてバーン! となったらまた変わってくるかもしれないですよね。「うわあ!」と感化されて影響を受け、刺激を受けた人たちが後に続いていく可能性はなくはないと思います。でも、それでも2000年代の頃のレベルで盛り上がるのは、宝くじで2000兆円当てるぐらいの確率だと思います(笑)。

