◆大食い王者になるまでの独自の練習法
――以前、『チャンスの時間』(ABEMA)にMAXさんが出演された際、「もともとは牛丼の並盛2杯でお腹いっぱいだった」と告白していたのは驚きました。つまり、トレーニングを積んで大食いできる体になったということ。一体、どうやって鍛えたのでしょうか?MAX鈴木:大食いのトレーニングってスポーツ科学のように明確にデータ化されたわけでもないし、全員が「なにをやっていいかわからない」というところから始める人体実験なんですね。
ただ、ざっくり言うと流れとして第1段階と第2段階があります。まず、第1段階は胃袋を広げる。簡単に言うと、お米や麺など水分で広がりやすい炭水化物系を入れ、「ああ、もうお腹いっぱいだな」と感じた後にお水やジュースなど水分を入れて胃の中で膨張させます。
それで胃拡張をして「これで大会に優勝できる容量をつくれたな」と思ったら、第二段階として食材への対応力をつけます。ラーメンの早食いを想定したならば、箸を持つ練習をする。手首に重しを着け、箸で濡れタオル持ち上げる練習をしたり。だって、ラーメンって本当に手首がつりますから!
あと、熱さに慣れる練習もあります。僕が『大食い王』で新記録を出した年は、でき上がったラーメンをさらにレンジでチンしてから食べるトレーニングに励んでいました。でも、そんなの熱くて食えないんですよ! だからもう、本番がラクで仕方なかったです。本番が一番ラク!
◆一定のペースを維持するには?
――「重しを取ったらこんなにラク」って、『ドラゴンボール』みたいですね(笑)。そういったトレーニング法とは別に、試合中に実践する大食いのテクニックも興味深いです。MAX鈴木:もちろん、あります。たとえばラーメンの場合、ちっちゃい小口で食べてペースは一定を心がけます。というのも、ラーメンは熱いので一気に口に入れて「アツアツアツ!」とあわてて水を飲んじゃうのは、めちゃくちゃロスタイムなんです。いかに機械のように一定のペースで食べ進めるかが大事。
それには理由があり、大食いは「制限時間内にこの食材をどうやって完食しようか」と考えながら食べる競技なんんですね。自分のペースを掴んでいると「今のペースはちょっと遅いな。じゃあ、少し速めよう」とか、臨機応変に対応できるんです。そこで「アツアツアツ!」とかやってると、自分のペースがわからなくなる。
でも、自分のペースを保っていれば「この速さならイケる」「今はオーバーペースだからちょっとペースを下げよう」など、調整ができるんですね。だから、いかにストロークを一定にするか……という意味での小口です。
――なるほど! ほかの食材でもそういうテクニックはありますか?
MAX鈴木:かなりの咀嚼が必要な食材に関しては、奥歯で噛まずに前歯で噛む。俗に、「ハムスター食い」と呼ばれているテクニックです。天ぷらやお肉、ラーメンの具材のチャーシューや分厚い角煮を食べるときに使う技ですね。
奥歯で噛むと顎全体をめちゃくちゃ使うから、めっちゃ疲れるんです。そして、試合開始5分後ぐらいにこめかみがバグり始めます。それって致命的じゃないですか? 顎が機能不全になると噛めなくなるから、ごっくん飲み込むことしかできない。無理やりごっくん飲み込んだら、胃のなかで“下手なテトリス”をせざるを得なくなるんです。大食いは、噛んで細かくした状態で“上手いテトリス”をすると有利なので。

