タイで現地女性と結婚した48歳日本人男性。失業続きの人生を変えた“妻の実家の家業”

タイで現地女性と結婚した48歳日本人男性。失業続きの人生を変えた“妻の実家の家業”

◆タイ人妻と出会い、流れがだいぶ変わってきた

妻のベンさん
ミシンを調整している妻のベンさん
「返品があると、いくら売り上げても利益にならないわけです。義実家の昔ながらのやり方を見ていたら、とにかく来てもらってサイズを測るんですよね。本当にシンプルなやり方ですけど合理的で、じゃあボクもそれを見習おうと、ネット販売であっても足のサイズ、足の甲の幅や高さなどお客さんにちゃんと測ってもらって受注しています」

 オーダーメイドなので、ベースとなる木型に革や厚紙を貼って微調整していく。そうしてオンラインでも返品トラブルがなくなっていき、徐々に利益も出るし、リピーターも増えてきた。そういったデータはすべて手書きの手帳、パソコン上に残してあり、リピーターはまたさらに細かい調整が利くようになっている。手帳もすでに何冊にもなった。何年もまえでもちゃんとデータを取りだすことが可能だ。

「今は靴以外にもカバンや財布など、革製品ならなんでもできます」

 フォーマルな革靴だけでなく、運動靴も可能だし、最近は日本人のリピーターに頼まれてゴルフシューズ、ドライバーのヘッドカバーなども特注で作った。

運動靴
運動靴も頑丈で軽いし、革製なのでよく足になじむ
ゴルフシューズ
ゴルフシューズも手がけるようになった
入院患者用
病院の入院患者用に機能性の高いサンダルもデザイン
 義父がとにかく職人なので、たとえば「こういうものがほしい」と写真をくれたら、それだけでデザインを起こして作ることができるのだ。最近はタイの有名ブランドから義父へ直々に女性用サンダルの修理と合わせて一部デザインを変更してほしい注文もあったほどである。

「最近は海外からは中華圏、アメリカ、ネット経由ではタイ在住欧米人の個人注文も増えています。YouTubeチャンネルなどでも取りあげてもらえ、工房はバンコクから車で40分はかかるのに、今では週に何人もの日本人がわざわざ訪れてくれ、革靴オーダーやカバンなどの注文もしていただいています」

ゴルフ用品
特注のゴルフ用品。ロゴの刺しゅうなども対応できる
 高級ブランドの模造は受けないが、主に牛革でできるものならなんでも注文どおりに作る。基本的にオーダーメイドなので在庫がないため、発送を待つランニングシューズを見せてもらった。鮮やかな青色で、軽いうえに頑丈でなかなかいい。しかも、オーダーメイドなのに安い。

アウトソール
アウトソールもさまざまなパターンがある
 革職人はさすがのタイでもそう多くない。すべての工程をひとりでできる職人はなお少ないうえに、国王陛下にも認められたとなればもっといない。そんな義実家に縁ができた諏訪部さん。

 日本ではいい就職先に恵まれず、中国では不運続き。しかし、タイに来て奥さんと知りあったことで流れが変わった。義実家のおかげで生活が落ち着いてきたのである。こういうレアな国際結婚のパターンもあるのだ。

<取材・文・撮影/髙田胤臣>

【髙田胤臣】
髙田胤臣(たかだたねおみ)。タイ在住ライター。初訪タイ98年、移住2002年9月~。著書に彩図社「裏の歩き方」シリーズ、晶文社「亜細亜熱帯怪談」「タイ飯、沼」、光文社新書「だからタイはおもしろい」などのほか、電子書籍をAmazon kindleより自己出版。YouTube「バンコク・シーンsince1998│髙田胤臣」でも動画を公開中
配信元: 日刊SPA!

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