争点は、合意書の計算方法が「合理的」であるかどうか
この裁決で争われたのは以下になります。
この合意書の計算方法(とりわけ小規模宅地等の特例適用後の価額を使う点)は、「合理的と認められる方法」といえるか。◆Bさんの主張
Bさんは、合意書の計算方法は、両者の相続税課税価格を同一にし、相続人間の公平を維持しようとするものだと説明。
これは通達趣旨にもとづくものであり、合理的な方法にほかならないというのがBさんの立場です。
小規模宅地等の特例適用後の価額を用いる点についても、特例適用後の価額を使っても両者の相続税の総額は変わらない以上、これも合理的な範囲内だと主張しました。
◆税務署の主張
税務署は、小規模宅地等の特例はあくまで課税価格の計算上の特例であって、財産そのものの時価評価とは別のものだから、代償金の計算に特例適用後の価額を持ち込むのはおかしい、と反論しました。
国税不服審判所が「合理的」と認めた理由
国税不服審判所は、税務署の主張を退けました。
合意書の目的については、代償金を考慮したうえで両者の相続税の課税価格を等しくすることにあり、特例適用後の価額を使うこともその目的に沿ったものと認めました。
さらに、特例適用後の価額を使ったとしても相続税の総額自体は変わらない以上、この計算方法が「相続税の負担を不当に減らす」ためのものとはいえないとして、Bさんが申告すべき代償金の額は、合意書どおりの金額で確定しました。
