55歳です。給与は上がりそうになく老後が心配。年金額を増やす方法はありますか?

老後の生活を支えてくれる年金。「生活に困ることのない年金額をもらいたい」と思う人は多いのではないでしょうか。しかし、中には受給できる年金額が少なく、不安な人もいるでしょう。
 
そこで、「給与は上がりそうになく老後が心配な55歳の人」を例に挙げて、年金額を増やすためにはどうすればよいのかを解説します。

年金の繰下げ受給の概要とは?

年金は原則として、65歳から受け取ることが可能です。しかし、65歳ではなく、66歳以後75歳までに受け取れば、年金額が増額されます。これを「繰下げ受給」といいます。

 

増額率は、繰り下げた期間が長ければ長いほど、大きくなるのが特徴です。増額率は

 

0.7%×65歳に達した月から繰下げ申し出月の前月までの月数

の計算式によって求められます。増額率は最大で84%です。一度、年金を受け取ったら、その時点で増額率は一生涯続きます。こうした場合、すべての老齢厚生年金に対して、繰下げ請求をする必要があります。ちなみに、75歳に達した月以降、年金を受け取らなかったとしても、年金額が増えることはありません。

 

年齢については「年齢計算に関する法律」によって計算されるため、65歳に達した日は、65歳の誕生日の前日になります。例えば、4月1日生まれの人の場合は3月31日です。65歳に達した月は4月ではなく3月になるため、要注意です。

 

中には、日本年金機構と共済組合などから、複数の老齢厚生年金(退職共済年金)を受け取ることができる人もいるでしょう。こうした場合、すべての老齢厚生年金に対して、繰下げ請求をする必要があります。

 

年金の繰下げ受給の注意点とは?

いくら繰下げ受給をしたくても、65歳の誕生日の前日から66歳の誕生日の前日までの間に「障害給付」や「遺族給付」の権利がある場合は行うことはできません。また、「遺族年金」など、他の公的年金を受給した場合も同様に繰下げ受給ができなくなります。

 

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