50歳未満に届く「ねんきん定期便」で将来の年金額は分かる? 見るべきポイントと注意点を解説

毎年、誕生月に「ねんきん定期便」が日本年金機構から自宅に郵送されてきます。50歳未満に届くねんきん定期便には、実際に将来自分が受け取れるであろう年金額の目安(見込額)は印刷されていません。
 
本記事では、50歳未満の人に届くねんきん定期便で見るべきポイント、最低限知っておきたい注意点、将来分(これから先の加入予想分)の年金見込額の概算方法について紹介します。

50歳未満に届く「ねんきん定期便」で見るべきポイント

「これまでの加入実績に応じた年金額」を確認し、その意味を大まかに知っておきましょう。

 

これまでの加入実績に応じた年金額

ねんきん定期便に記載されている「3. これまでの加入実績に応じた年金額」(図表1のj)の一番下、太い線で囲まれた欄に印刷された額(合計額)が、これまでの加入実績分(いわば過去分)から算出した65歳から受け取る場合の年金見込額です。この額をまず確認しましょう。

 

ただし、この額は年額かつ、いわゆる額面である点に注意しましょう。

 

【図表1】

 

日本年金機構 「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和5年度送付分)

 

老齢基礎年金

老齢基礎年金は、日本国民が原則として全員加入する国民年金制度の老齢給付です。20歳になってから60歳になるまでの40年間(480月)、国民年金保険料の未納月数や免除月数がない場合に、いわゆる満額を受け取れます(65歳から受け取る場合、年額約80万円/令和5年度)。

 

ねんきん定期便の「3. これまでの加入実績に応じた年金額」表には、これまでの年金加入期間(月数)に応じた年金見込額が印刷されています。

 

老齢厚生年金

老齢厚生年金は、会社員・公務員などが加入する厚生年金保険制度の老齢給付です。受け取れる年金額は、在職中(厚生年金保険に加入していた期間)に支払った厚生年金保険料に応じて、言い換えれば在職中の報酬(給与+賞与)におおむね比例して計算されます(給与・賞与ごとに計算上の上限はあります)。

 

ねんきん定期便の「3. これまでの加入実績に応じた年金額」表には、これまでに納めた厚生年金保険料に応じた年金を65歳から受け取る場合の見込額が印刷されています。

 

50歳未満に届く「ねんきん定期便」の注意点

50歳未満の人に届くねんきん定期便を見る際、最低限知っておきたい注意点を列挙します。

 

老齢年金を受け取るには、原則10年以上の年金加入期間が必要

20代の人など、年金加入期間が10年(120月)に満たない場合でも、これまでの加入実績に応じた年金見込額が印刷されています。

 

しかし、将来、実際に老齢年金を受け取るには、原則として120月以上の年金加入期間が必要です。年金見込額が印刷されていますが、あくまでこれは10年以上加入した場合という条件付きであることを押さえておきましょう。

 

「3. これまでの加入実績に応じた年金額」が印刷されていない場合

「3. これまでの加入実績に応じた年金額」表が印刷されていない場合、これまでの年金加入記録に、重複や欠落などの不備がある可能性があります。至急、最寄りの年金事務所に相談しましょう。

 

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