年収500万の夫、年収300万の妻、いわゆる「日本の平均年収」の世帯はいくら年金を受け取れる?

夫婦共働きのケースでは、例えば夫の年収が約500万円、妻の年収が約300万円など、日本の平均収入に概ね該当する世帯も少なくないでしょう。
 
ここでは老後の生活費やライフプランを考える上での参考として、現役時代、夫婦のいずれも平均的な収入であった世帯が得られる年金額について考えていきます。

夫婦共働きで平均的な収入の世帯が受け取れる年金額を試算

国税庁の「民間給与実態統計調査」(令和3年分)によれば、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与について、男性は545万円、女性302万円となっています。

 

夫婦共働きの世帯で、夫の年収が500万円、妻の年収が300万円というケースは、それぞれ男女の平均的な収入にほぼ該当します。

 

では、この夫婦2人の世帯が将来受け取る年金額はどれくらいになるでしょうか。厚生労働省の「公的年金シミュレーター」を利用し、以下の条件で試算してみます。

・夫婦ともに1978年9月1日生まれ

・夫婦ともに20歳から22歳までは学生として国民年金に加入

・夫婦ともに23歳から60歳まで会社員として厚生年金に加入して就労

・就労期間全体の平均年収は夫が500万円、妻が300万円

・年金受給は65歳から

簡略化した条件での試算の結果では、夫が受け取る年金の見込み受給額は年額180万円となり、月額換算で15万円です。また、妻は年額141万円、月額換算では11万7500円で、夫婦2人分の1ヶ月当たりの年金額は26万7500円となります。

 

夫婦2人、月額26万7500円の年金で老後に生活できる?

老後に受け取れる夫婦2人分の年金額の目安を確認したところで、その金額があれば年金収入だけで生活できるのか考えていきましょう。

 

総務省の「家計調査報告」(令和4年)による、65歳以上の夫婦のみ無職世帯での1ヶ月の総支出額は平均で26万8508円です。

 

【図表】

 

※総務省 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要より抜粋

 

統計上の総支出額は、現役時代に平均的な収入があった夫婦2人分の年金額の目安(月額26万7500円)に近い金額となっているため、ライフスタイルなどによりますが、老後に年金だけで生活することも不可能ではないといえます。

 

また、老後も働いて年金以外で収入を増やしたり、老後に向けて蓄えてきた資金を切り崩して生活費などに充てることができれば、より安定した老後の生活を送ることができるでしょう。

 

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