Bさん(勤続20年超)の退職所得控除額と所得税課税対象額
一方、Bさんの場合は次のようになります。
・退職所得控除額=800万円+70万円×(21年-20年)
=870万円
・所得税課税対象額=(2000万円-870万円)×1/2
=565万円
よって、Bさんの退職金に対しては、565万円に所得税および復興特別所得税と住民税がかかります。
AさんとBさんの退職金の手取り額
それでは、これまでの計算結果から、AさんとBさんとでは退職金の手取り額はどのくらい差が出るのかをみていきましょう。
・Aさんの場合
所得税および復興特別所得税
=(所得税課税対象額×所得税率-所得税控除額)×102.1%
=(600万円×20%-42万7500円)×102.1%
=78万8722円
住民税
=所得税課税対象額×10%
=600万円×10%
=60万円
退職金の手取り額
=退職金の額-(所得税および復興特別所得税+住民税)
=2000万円-(78万8722円+60万円)
=1861万1278円
・Bさんの場合
所得税および復興特別所得税
=(所得税課税対象額×所得税率-所得税控除額)×102.1%
=(565万円×20%-42万7500円)×102.1%
=71万7252円
住民税
=所得税課税対象額×10%
=565万円×10%
=56万5000円
退職金の手取り額
=退職金の額-(所得税および復興特別所得税+住民税)
=2000万円-(71万7252円+56万5000円)
=1871万7748円
したがって、AさんとBさんの退職金の手取り額の差は、10万6470円(1871万7748円-1861万1278円)になります。
勤続年数が20年以下と20年超で、退職金の退職所得控除額と所得税課税対象額が異なることがお分かりいただけたでしょうか? 勤続年数が20年を超えれば、退職所得控除額の計算が優遇される方法がとられ、所得税課税対象額が少なくなります。もし、勤続20年近くで転職をお考えの人がいれば、ぜひ参考にしてください。
出典
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
配信: ファイナンシャルフィールド
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