40代の若さで妻が急逝。パート主婦だった妻の「年金」も受け取ることは可能?

遺族厚生年金は受け取れないの?

パートで働く主婦の方が亡くなってしまった場合、その夫が遺族厚生年金を受け取るのは難しいでしょう。

 

遺族厚生年金の受給には、下記図表の1から5のうちいずれかの要件を満たすことが必要なのですが、40代でパートの主婦となると、基本的には扶養を超えて働き厚生年金に加入していなければならず、ハードルがやや高いと感じられます。

 

【図表2】

出典:日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)

 

また、夫婦ともに40代で子もあり、パートの妻が亡くなった事例において、遺族厚生年金を受け取る際の受給順を考えていくと、一番順位が高いのは、18歳になった年度の3月31日までにある、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子になります。夫が受け取るには55歳以上という要件があり、この事例では夫がそれより若いので受給することができません。

 

なお、遺族厚生年金の額は、死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額となり、かつ、厚生年金の被保険者期間が25年未満(300月未満)の場合は25年(300月)とみなして計算されます。ちなみに、遺族基礎年金と遺族厚生年金は両方同時に受け取ることができます。

 

パート主婦の妻が亡くなった場合でも遺族年金なら受け取れる

40代という若さでパート主婦の妻が亡くなってしまったとき、老齢年金相当額の未支給年金を受け取ることはできませんが、遺族年金であれば一定の条件の下で受け取ることができます。

 

夫の存命中にパート主婦の妻が亡くなっても、年金を何も受け取れないわけでもありません。

 

もし、夫よりも先に妻が亡くなったときは、遺族年金の受給要件を満たしていないか確認してみてください。40代という若さで亡くなっていて子もいるような場合など、場合によっては意外と要件を満たしているかもしれません。

 

出典

日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)

日本年金機構 さ行 生計維持

日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)

 

執筆者:柘植輝

行政書士

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