看護師の平均給与はどれくらい?国立の病院だと「公務員」になるの?

高齢化社会にともない、医療や介護を必要とする人が増える一方で、医療・福祉分野の人材不足が問題となっています。厚生労働省の「令和4年版厚生労働白書」によると、2040年(令和22年)には、医療・福祉分野の就業者数は、96万人も不足する見込みとのことです。
 
人手不足が心配されるなか、医療従事者の平均年収は、一般企業よりも高いとされています。そこで今回は、「看護師」の仕事事情について解説します。さらに看護師には「公務員看護師」という働き方がありますので、一般看護師との相違点についても解説します。

看護師の平均給与

先述の「令和4年版厚生労働白書」によると、2021年(令和3年)における看護師の平均賃金は、月額39万9000円とのことです。全産業の平均賃金(35万5000円)と比較すると、4万4000円高いことが分かります。

 

出典:厚生労働省「令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-第1部 社会保障を支える人材の確保 第1章 社会保障を支える人材を取り巻く状況」より引用

 

年齢別に平均賃金を見てみると、20~24歳の看護師における平均賃金は32万5000円であり、全産業(26万2000円)よりも、初任給が高い傾向にあるようです。そのまま、55~59歳まで賃金の上昇が見られ、看護師の平均賃金の最高値は46万9000円です。

 

しかし、35~39歳時点での平均賃金の上昇幅は、全産業のほうが高く、全産業での最高値は49万2000円でした。

 

看護師のほうが初任給は高いですが、昇給の経緯を見ると、全産業のほうが、平均賃金が高いことが分かります。

 

しかし、平均賃金の最低値を見ると、全産業が26万2000円であることに対して、看護師は32万5000円という結果でした。もちろん、職場によっても賃金は異なるため、あくまでも平均値での結果です。

 

「公務員看護師」とは?

看護師でも、職場によっては「公務員」として働くことが可能です。「公務員看護師」は、国や自治体が運営する公的機関(国立病院や県立病院など)で働く看護師を指します。業務内容は、働く病院によって多少異なりますが、一般的には、民間病院の看護師業務と大きくは変わりません。

 

民間病院で働く看護師と比較して、公務員看護師には、以下のメリットが考えられます。

 

・給与水準が高い傾向にある

・福利厚生が充実している

・安定して働ける

・研修制度が整っている

 

職場によっては、公務員看護師は昇給しやすく、退職金やボーナスが充実していることから、給与水準が高い傾向にあるようです。さらに、国や自治体が運営していることから、福利厚生も充実しており、働きやすい環境が整っていることも魅力の一つです。

 

また、さまざまな研修制度が用意されていることから、看護師としてのキャリアアップが目指しやすいといえるでしょう。

 

一方で、副業が禁止されているとか、建物・設備がやや古い病院が多いことなどが、デメリットとして挙げられます。

 

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