親が「安くなりそう」とIP電話を検討しています。緊急通報ができないはずですが大丈夫でしょうか?

携帯電話の普及に伴い、アナログの固定電話を利用する機会が少なくなってきました。そうしたことから、アナログ電話をより安くすませられるIP電話に切り替えようと考えている人も多いのではないでしょうか。
 
しかし、IP電話は110番や119番といった緊急通報ができません。そこで本記事では、IP電話だと緊急通報ができない理由と、IP電話で緊急通報をしたい場合の対処法について詳しく解説します。

なぜIP電話だと緊急通報ができないの?

IP電話でも普通の電話と同じように通話ができるのに、なぜ緊急通報だけできないのか、疑問に感じている人もいるでしょう。その理由は、緊急通報の仕組みにあります。110番や119番に電話をかけると、警察署や管轄の消防指令センターに電話をかけた人の位置情報が送信されるようになっているのです。

 

固定電話から発信すれば市内の地図情報、スマホから発信すればGPSによる位置情報が送信されます。これは、パトカーや消防車が迷うことなく、目的地である発信者の場所にたどり着くためです。また、固定電話やスマホで緊急通報をした場合、途中で電話が切れてしまっても、受信機関から呼び返しの電話を受けられます。

 

しかし、インターネット回線を活用するIP電話の場合、アナログ電話やスマホのように回線を専有して通話するわけではありません。インターネットを経由するため、音声データがネット上のさまざまなルーターを経由することになるのです。その結果、IP電話では通報先に自身の位置情報を送ることができませんし、呼び返しの電話も受けることができません。

 

IP電話だと万が一の場合にはどうすればいいの?

IP電話だと緊急通報ができないと聞いて、万が一の場合にはどうすればいいのだろうと心配になる人もいるでしょう。しかし、いくつか対処法があるので心配はいりません。対処法としてまず挙げられるのは、緊急通報ができるIP電話に加入することです。

 

例えば、光通信を使ったIP電話サービスであるauひかり電話サービスは、IP電話であっても緊急通報ができる仕組みを整えています。そのため、auひかり電話サービスであれば緊急通報が可能です。そのほかにも、緊急通報ができるIP電話のサービスや、NTTのボイスワープのようにIP電話と併用することで緊急通報ができるサービスがあります。

 

もうひとつの方法は、最寄りの警察署や消防署の電話番号に発信することです。緊急通報ができないIP電話は、110番や119番のような緊急通報がかけられないだけで、警察署や消防署に直接電話はかけられます。そのため、あらかじめ電話のアドレス機能に最寄りの警察署や消防署の電話番号を入力しておくとよいでしょう。

 

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