住宅ローンの固定金利が上昇!変動金利のままでいいの?

住宅ローンの固定金利が上昇!変動金利のままでいいの?

 

 

住宅ローンの固定金利が上昇傾向にあります。そうなると、今後は変動金利も上昇するかもしれません。

住宅ローン契約者のうち約7割が変動金利型を利用している今、住宅ローンを変動金利のまま借り続けていても大丈夫なのでしょうか?

そこで今回は、住宅ローンの金利の決まり方や金利動向のほか、変動金利のまま借り続けてもよいのかどうか、わかりやすく解説します。

 

住宅ローンの金利はどのように決まるの?

 

住宅ローンの金利タイプは、「固定金利」と「変動金利」に分けられます。

さまざまな要因で金利は変動しますが、金利上昇場面では一般的に固定金利が先に上がる傾向にあります。

 

住宅ローンの固定金利は、新発10年物国債の「長期金利」が基準となり、変動金利は、金融機関が優良企業に対し短期(1年未満)に資金を貸し出す際の最優遇金利である「短期プライムレート」が基準となっています。

各金融機関はこれらの基準となる店頭金利をもとに、独自に定める条件を反映させて適用金利を決めています。

 

 

現在の金利動向はどうなっている?

 

全期間固定金利型である「フラット35」の金利を見ると、2021年12月の最低金利は1.330%、2022年12月では1.650%、2023年12月現在は1.910%です。

このように住宅ローンの固定金利は、じわじわと上昇傾向にあると言えます。

 

住宅ローンの固定金利は、新規に発行される10年物国債の金利に影響を受けます。

また、日本銀行が物価上昇率2.0%を目標とする金融緩和政策として、長期金利が0%程度に抑えるイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)を行っています。

これだけを見ると、長期金利が0%辺りを推移するよう留めているように思われますが、実際には日本銀行は若干の変動を許容しています。

その許容範囲が当初は±0.25%でしたが、2022年12月に変動幅の上限を±0.5%に拡大しました。

さらに2023年10月には、変動幅の上限を±1.0%を目途にするよう変更されたのです。

このようにイールドカーブ・コントロールの柔軟化により影響を受けるのが、長期金利を基準とする住宅ローンの固定金利です。

一部の金融機関では、すでに固定金利の基準金利引き上げを公表しています。今後も固定金利が上昇する可能性はあるでしょう。

 

一方で、住宅ローンの変動金利は短期プライムレートを基準としていますが、2009年1月以降、同水準を維持しています。

そのため、変動金利も低い水準が継続しているところです。

ただし、固定金利が上がることで、変動金利も上昇するといわれています。現時点での金利は低い水準のままですが、今後の変動には注目していきたいです。

 

 

今後も変動金利のままでいい?

 

「固定金利が上昇しているのだから、変動金利も上昇するかもしれない」このように、変動金利で住宅ローンを借りている人は心配になるかもしれません。

変動金利の上昇にそなえ、固定金利への借り換えをした方がよいのではと思うかもしれませんが、短絡的な借り換えはおすすめできません。

 

一般的に、変動金利では半年ごとに金利が見直されます。

そのため、じわじわと金利が上がる可能性もあるわけです。

とはいえ、住宅ローンの借り換えには、費用(事務手数料)が発生します。

また、上昇中の固定金利ですから、月々の返済額は増え、今よりも負担が大きくなってしまいます。

 

そのため、今すぐに固定金利へ借り換えるのではなく、変動金利の上昇にともない、月々の返済額が増えた場合に備えて、家計を見直しなどにより住居費に余裕をもっておきたいものです。

もし、貯蓄に余裕があるならば、繰り上げ返済により、返済期間を短くするのも有効です。

 

急激に返済額が増えると日常生活に影響を与える可能性があるため、金利が上昇したとしても、変動金利では「5年ルール」というものがあり、5年間は返済額が変動しません、

また、5年経過後も「125%ルール」で返済額の上昇は1.25倍までに抑えられます。

つまり金利が上がったとしても、急に返済額が増えるわけではないのです。

このように変動金利ならではのルールを押さえたうえで、家計のやりくり力をアップさせましょう。

ただし、返済額が変わらないだけで、未払利息として金利上昇分は将来に先送りされるため、当初の期間より長く返済が続くこともあり得ることに注意が必要です。

 

 

まとめ

 

住宅ローンの固定金利は、新発10年物国債の金利を基準としてます。

現在は、日本銀行が金融緩和政策でイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)を行っています。

そのため、金利が上昇傾向にあり、その影響で固定金利に続き変動金利も上昇する可能性は否定できません。

ただし、固定金利への借り換えは、諸費用や返済額の増加で家計の負担が増します。

そこで、変動金利のままでも家計の見直しで貯蓄額を増やしたり、繰り上げ返済を活用したりしながら、金利上昇に備えておくことをおすすめします。

 

 

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