「赤血球が少ない」と「貧血」や「胃がん」の疑い?赤血球を増やす食べ物も医師が解説!

「赤血球が少ない」と「貧血」や「胃がん」の疑い?赤血球を増やす食べ物も医師が解説!

健康診断で赤血球が少ないと言われたらどうすべき?Medical DOC監修医が血液検査の見方や基準値・主な原因と病気のリスク・対処法などを解説します。

監修医師:
小正 晃裕(医師)

京都大学医学部卒業。循環器内科・臨床不整脈を専門とし、これまで関西電力病院、京都大学医学部附属病院などで勤務。主にカテーテルアブレーション、不整脈デバイス診療に従事。現在は大手企業の専属産業医、複数クリニックで内科外来業務に従事しながら医療DX推進に向けて複数事業を運営中。日本内科学会認定内科医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本不整脈心電学会認定不整脈専門医、日本医師会認定産業医。

健康診断・血液検査で「赤血球が少ない」と診断されたときに考えられる原因と対処法

健康診断・血液検査で「赤血球が少ない」と診断された時、次にどのような対応をとればよいかご存知でしょうか。症状がないので放置している方もいらっしゃるかもしれません。ただし、赤血球の減少は危ない病気の初期症状のこともあります。今回の記事では、赤血球の減少を指摘された時にどのように対応をすればよいのか、専門医受診のタイミングや自己での対処法などを含めて記載しています。異常値を指摘された時に参考にしてください。

赤血球が少ないと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

赤血球が少ない状態を「貧血」と呼びます。貧血になると体内の酸素運搬能力が低下し、疲れやすさやめまい、頭痛、息切れなどの症状を引き起こす可能性があります。貧血の原因はさまざまで、鉄分不足、ビタミンB12や葉酸の欠乏、慢性疾患、出血などが考えられます。
日常生活でできる対処法としては、鉄分やビタミンB12、葉酸が豊富な食事を心がけることが重要です。特に、肉、豆類、全粒穀物、緑黄色野菜はこれらの栄養素を多く含んでいます。ただし、症状が改善しない場合や重度の症状が見られる場合は、専門医の診察を受けることが大切です。
症状が軽い場合は、十分な休息とバランスの良い食事で改善することもありますが、根本的な原因によっては医療的な介入が必要な場合もあるため、異変を感じたら早めに医師の診断を受けることをお勧めします。

赤血球とヘモグロビンが少ないと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

赤血球とヘモグロビンが共に少ない状態は、一般に重度の貧血を示しています。ヘモグロビンは赤血球内に存在し、酸素を全身に運ぶ役割を持っています。この状態が起こる原因には、栄養不足(特に鉄分、ビタミンB12、葉酸)、慢性疾患、出血、ある種の骨髄疾患などがあります。
一般的な貧血の症状に加えて、皮膚の蒼白、頭痛、集中力の低下などの症状が見られることがあります。対処法は、栄養バランスの取れた食事を心がけることが基本です。鉄分、ビタミンB12、葉酸が豊富な食品を積極的に摂取しましょう。しかし、症状が重い場合や改善が見られない場合は、速やかに医師の診察を受けることが重要です。

赤血球が少なく白血球が多いと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

赤血球が少なく、同時に白血球が多い状態は、体内で何らかの異常が起きている可能性を示唆します。この状況は、感染症や炎症性疾患、ある種の血液疾患(例えば白血病など)が原因であることが多いです。白血球は体の免疫システムの一部であり、感染や炎症に対して反応するため、その数が増加することがあります。
症状には、発熱や疲労感、夜間の発汗、体重減少などが含まれることがあります。これらの症状が見られた場合、または血液検査の結果に異常がある場合には、専門医による詳細な診断が必要です。
対処法としては、まずは根本的な原因を特定することが重要です。そのためには、医師の指示に従ってさらなる検査を受ける必要があります。治療法は原因によって異なりますが、感染症であれば抗生物質、血液疾患であれば専門的な治療が必要になることがあります。

赤血球と白血球が少ないと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

赤血球と白血球が同時に少ない状態は、骨髄障害や全身性の疾患が原因である可能性が高いです。この状況は、骨髄が正常に働かず、血液成分を適切に生産できないことを意味します。原因としては、骨髄抑制(化学療法や放射線療法による)、自己免疫疾患、ある種の感染症、栄養不足(特にビタミンB12や葉酸の不足)、さらには白血病などの血液悪性腫瘍が考えられます。
症状には、全身の倦怠感、感染症への抵抗力の低下、出血傾向などがあります。これらの症状が見られる場合や血液検査で異常が確認された場合には、迅速に専門医の診察を受けることが重要です。
対処法としては、まず原因の特定が必要です。医師は、症状や検査結果に基づいて、適切な診断と治療法を提案します。栄養療法、感染症の予防や治療、必要に応じて骨髄生検など、さまざまなアプローチが考えられます。

赤血球と血小板が少ないと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

赤血球と血小板が同時に少ない状態は、骨髄障害や全身性疾患が原因である可能性があります。骨髄障害には、骨髄抑制(化学療法や放射線療法による影響)、骨髄異形成症候群、白血病などが含まれます。また、自己免疫疾患や重度の栄養不足、ある種の感染症も原因となることがあります。
症状には、全身の倦怠感、出血しやすい、痣ができやすい、感染症への抵抗力の低下などがあります。これらの症状が見られる場合や血液検査で異常が確認された場合には、専門医による診察が必要です。
対処法としては、まずは原因の特定が重要です。医師は症状や検査結果に基づいて、適切な診断と治療計画を立てます。栄養療法、感染症の予防や治療、また必要に応じて骨髄生検などの検査が行われることがあります。

赤血球が少なく血小板が多いと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

赤血球が少なく、血小板が多い状態は、特定の血液疾患や炎症反応、鉄分不足などが原因である可能性があります。血小板の数が増える状態(血小板増多症)は、骨髄が過剰に血小板を生産することが原因で、これは慢性骨髄性白血病、一次性血小板増多症、炎症性疾患、または鉄欠乏性貧血によることがあります。
症状には、出血しやすさ、疲労感、頭痛などがあります。これらの症状が見られる場合や血液検査で異常が確認された場合は、専門医による診断が必要です。
対処法としては、まず原因疾患の特定が重要です。医師は、症状や検査結果をもとに、適切な治療法を提案します。栄養療法、鉄剤の補給、血液疾患の場合は専門的な治療が必要になることがあります。

赤血球が少なくヘモグロビンが多いと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

赤血球が少なくヘモグロビンが多い状態は、脱水や肺疾患、ある種の心疾患が原因である可能性があります。この現象は、赤血球の密度が高まるために起こり、血液が濃縮されることが原因です。脱水は、体内の水分量が減少することで赤血球の相対的な密度が高くなります。肺疾患や心疾患では、酸素の供給が不足するために体が赤血球をより効率的に利用しようとすることが原因です。
症状には、疲労感、呼吸困難、頭痛、めまいなどがあります。これらの症状が見られる場合や血液検査で異常が確認された場合には、専門医の診察を受けることが重要です。
対処法としては、まずは脱水状態の解消や基礎疾患の治療が必要です。医師は、症状や検査結果に基づいて、適切な治療計画を立てます。脱水が原因の場合は水分補給、肺や心の疾患が原因の場合はそれらの病気の治療が求められます。

妊娠中で赤血球が少ないと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

妊娠中に赤血球が少なくなる状態は、一般的に妊娠関連貧血と呼ばれます。これは、妊娠によって体内の血液量が増加し、相対的に赤血球の濃度が低下するために起こります。また、鉄分や葉酸の需要が増えるため、これらの栄養素の不足も原因の一つです。
妊娠中の貧血の症状には、疲労感、息切れ、めまいなどがあります。これらの症状が見られる場合は、医師に相談することが重要です。特に鉄分不足が原因の場合、妊娠中の赤血球の少なさは胎児の成長に影響を与える可能性があります。
対処法としては、バランスの良い食事による栄養補給が基本です。鉄分、葉酸、ビタミンB12が豊富な食品を摂取し、必要に応じてサプリメントの使用を検討します。医師は個々の状況に合わせたアドバイスを提供し、必要に応じて鉄剤などの処方を行うことがあります。

健康診断の「血液検査」の見方と再検査が必要な「赤血球が少ない」に関する数値・結果

ここまでは診断されたときの原因と対処法を紹介しました。
再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。
以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。

健康診断・血液検査の「赤血球」の基準値と結果の見方

健康診断や血液検査では、赤血球数が重要な指標の一つです。一般的な赤血球の基準値は、男性で約4.2~5.7万/μL、女性で約3.6~5.0万/μLです。これらの値は、年齢や性別、さらには測定する病院や機器によって若干異なることがあります。
赤血球数が基準値よりも低い場合(貧血)、鉄分不足、ビタミン不足、慢性疾患などが原因である可能性があります。逆に、赤血球数が高い場合(多血症)、脱水、肺疾患、喫煙、ある種の骨髄疾患などが考えられます。
赤血球数が極端に高い、または低い場合は、重要な健康リスクのサインである可能性があり、専門医の診断が必要です。血液検査の結果を見る際は、単一の値だけでなく、他の血液成分との関連も考慮することが重要です。

健康診断・血液検査の「赤血球」の異常値・再検査基準と内容

健康診断や血液検査で赤血球の異常値が検出された場合、再検査や精密検査が推奨されることがあります。異常値が見つかった場合、まずは追加の血液検査が行われることが多いです。これには、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値、鉄分、ビタミンB12、葉酸の測定などが含まれることがあります。
再検査の費用は、検査の種類や受診する医療機関によって異なりますが、一部は保険適用の範囲内で行われることが多いです。再検査や精密検査は、一般的なクリニックや総合病院で依頼することができます。
緊急度は異常値の程度や症状によって異なりますが、一般的には異常値が指摘されたら1~2週間以内に再検査を受けることが推奨されます。再検査結果に基づき、必要に応じて鉄剤の投与、ビタミン補給、あるいは慢性疾患の治療が行われることがあります。

関連記事: