高校から海外留学!パターン別「費用」まとめ

高校から海外留学!パターン別「費用」まとめ

 

 

「語学のスペシャリストになりたい」「さまざまな文化に触れてみたい」という希望を持つお子さんなら、高校在学中に海外留学をしてみたいと言い出すかもしれません。

また、あえて日本の高校には進学せず、海外の高校に進学し、そこから海外の大学への進学を目指す方法も考えられます。

夢は膨らみますが、実際にやろうとするとどれだけ費用がかかるかを調べてみました。

 

 

高校生が海外に留学する方法

 

高校生が海外に留学する方法は、留学期間を基準に分類すると以下の3種類に分かれます。

 

短期留学

海外の高校や語学学校が行う、夏休みや春休みを利用した留学のこと。

サマースクール、ウィンタースクールとも呼ばれる。

期間は1週間~3ヶ月程度。

交換留学 国際交流を主な目的とした留学のこと。

日本の高校に籍を残しつつ、半年~1年間海外の高校に留学する。

地方自治体公益財団法人などの各種団体が行うもの 以外に、高校が独自に行うケースも存在する。

ただし、事前にペーパーテストや面接による試験があり、合格しないと参加できない場合が多い。 正規留学

(卒業留学) 海外の高校での単位取得、卒業を目的とした留学。

日本の高校には進学しない(退学する)ことが前提になる。

日本で最低限の成績を修めていれば留学はできるが、学力・英語力に合わせた留学先の選定が必要。

期間は1年~3年程度。

 

希望する留学スタイルが上記のどれに当てはまるかをまずははっきりとさせましょう。

それによって準備すべき費用が大幅に異なるためです。

 

 

費用は期間と渡航先によって大幅に異なる

 

結論からいうと、高校生を含め、留学する場合の費用は留学する期間と渡航先の国によって異なります。

ここでは大手留学エージェント・留学ジャーナルが公表しているデータを基に解説します。

 

まず、12週間(3ヶ月)語学留学した場合の費用(授業料・滞在費・食費の合計額)の目安は以下の通りです。

国  費用の目安 アメリカ  65~111万円 カナダ  59~87万円 イギリス  57~132万円 オーストラリア  59~80万円 ニュージーランド  52~82万円 

出典:株式会社 留学ジャーナル「留学の費用」に基づき筆者作成

 

 

また、交換留学や正規留学(卒業留学)のように、現地の高校に通学することを前提とした場合の費用(授業料・滞在費・食費の合計額)の目安は以下の通りです。

なお、以下の費用は1学年度(アカデミックイヤー、約9ヶ月)の費用であるため、3年間留学する場合はその3倍かかると考えましょう。

 

国  費用の目安 カナダ  220万円  オーストラリア  220万円 ニュージーランド  200万円

出典:株式会社 留学ジャーナル「留学の費用」に基づき筆者作成

 

カナダ、オーストラリア、ニュージーランドへの留学の場合、現地の公立高校で受け入れがあるため比較的費用が安く抑えられています。

しかし、アメリカやイギリスへの留学を希望する場合は注意が必要です。

現地の公立高校では交換留学での受け入れしか行っていない場合も多く、卒業を前提にするなら私立高校への留学も検討する必要があります。

この場合、1年間で500万円以上費用がかかることも珍しくありません。

イギリスのボーディングスクールのように、全寮制の高校の場合はさらに費用がかさみます。

 

 

各種留学制度や奨学金も上手に使おう

 

短期留学ならまだしも、交換留学や正規留学を検討しているなら、かなりの費用がかかることを覚悟しなくてはいけません。

実際に留学をする際には、学費(授業料)以外にもさまざまな費用がかかります。

 

出発前にかかる費用 ・航空運賃 ・海外留学保険

・諸手続き費用(パスポート・ビザ申請料など)

・健康診断受診料 など 留学先でかかる費用 ・授業料 ・滞在費 ・交通費

・通信費 ・教材費 ・食費 ・おこづかい

 

ただし、さまざまな奨学金や公的制度を使うことで節約できる余地はあります。

ここで、高校生が利用できる奨学金や公的制度の例を紹介しましょう。

トビタテ!留学JAPAN

新・日本代表

プログラム

文部科学省および日本学生支援機構が主催する奨学金制度。

交換留学の場合に利用できる。

採用されれば留学期間中に定期的に奨学金が、渡航準備中に留学準備金が支給される。

ただし、支給額は世帯収入額に基づく家計基準内・外のいずれに当たるかによって変わるシステム。

次世代リーダー育成道場

東京都教育委員会が行う都立高校生等を対象とする海外留学支援事業。

事前研修・留学(11ヶ月)・事後研修の一連のプログラムに参加する。

費用は80万円(渡航費、滞在費、学費等の合計 ※2023年実績)だが、経済的な理由により納付が困難な場合は費用の減額・免除を申請できる。

多子世帯の場合も費用の減額申請が可能。

なお、事前研修棟に要する交通費や留学に係る基本的経費以外の諸経費(60万円程度)は自己負担。

「埼玉発世界行き」

奨学生

公益財団法人埼玉県国際交流協会が行う奨学生制度。

高校生の場合「高校生留学コース」が利用可能。

採用されれば奨学金として50万円が支給される。

また、県内の企業をはじめとした有志による「冠奨学金」の中にも、高校生が利用できるものがある。

福井県

「福井県きぼう応援海外留学奨学金」

福井県内の高校に在学する生徒を対象にした奨学金。公益社団法人、公益財団法人が提供等する留学プログラムおよび学校長が留学先での履修を単位として認定する留学について、教育委員会が必要と認めた額を奨学金として支給。交換留学だけでなく、海外での高校卒業、バカロレア資格の取得を目指す留学も対象となる。

出典:文部科学省・独立行政法人日本学生支援機構

「官民共同海外留学支援制度~トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム~ 【高校生等対象】2024年度(第9期)派遣留学生募集要項」

東京都教育委員会「令和5年度 次世代リーダー育成道場 研修生募集要項」

公益財団法人埼玉県国際交流協会「2023年度「埼玉発世界行き」奨学金 募集概要」

福井県「高校生の長期留学奨学金「福井県きぼう応援海外留学奨学金」について」より筆者作成

 

ここでは紹介しきれませんが、他にも留学制度や奨学金を実施している地方自治体や各種団体があるはずなので、一度調べてみましょう。教育委員会や国際交流協会に問い合わせれば教えてもらえます

 

 

まとめ

 

「少しの間でも親元を離れて生活する」体験を積むことは、お子さん方にとって良い経験になるはずです。

異文化に触れることもそうですが、何より「いつもお父さん、お母さんにやってもらっていることを自分でやらなくてはいけない」状況に置かれることで、自立心を育むチャンスになります。

お子さんが留学したいと言ってきたなら、ここはチャンスととらえ、公的な制度も使いながら快く送り出してあげましょう。

 

 

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