「肺がんステージ3」の症状・治療法はご存知ですか?発症しやすい人の特徴も解説!

「肺がんステージ3」の症状・治療法はご存知ですか?発症しやすい人の特徴も解説!

肺がんステージ3の診断方法

肺がんの場合、がん細胞のできた場所・大きさ・進行度などによってステージ(病期)が決まります。ここでは、ステージ3であるかどうかを調べるための検査方法について説明していきましょう。

X線・CT・MRIなどの画像検査

肺がんが疑われる時は、まず胸部X線検査を行います。そして、がんを疑う影が見えるなどの異常がみられた場合は胸部CT検査をします。がんが疑われる病変の有無や、場所を調べるための検査です。さらに頭部や骨など他の臓器に転移しているかどうかを確認するにはMRI(磁気共鳴画像)で検査をします。
MRIは磁気の特性を利用することで、骨に囲まれた臓器の様子も撮影できるのです。その機能を使って多方向から断層写真を撮影し、体内の状態を詳しく知ることができます。

気管支鏡検査

直径5mmほどの内視鏡を鼻や口から肺に挿入して、がん細胞の有無を確認する検査です。肺の病巣に気管支鏡が届くと先端からブラシ・針・鉗子が出て、がんが疑われる部位の細胞・組織を採取します。
検査に時間がかかるような場合は、痛み止め・睡眠薬を注射することもあります。

CTガイド下肺針生検・経皮的針生検

CTで肺内部の様子を観察しながら、針生検を行う検査をCTガイド下肺針生検といいます。また病巣が肺の先にあって気管支鏡が届かない時は、肋骨の間から細い針を差し込み、肺の細胞を採取します。この検査が、局所麻酔をして行われる経皮的針生検です。

肺がんステージ3の治療方法

肺がんの治療方法には手術・抗がん剤(化学療法)・放射線療法・分子標的薬などがあります。それぞれの特徴をみていきましょう。

手術

ステージ3の患者さんで手術を受けられるのは一部の人です。
すでに転移や浸潤がある場合が多いため、手術で切除できるかどうかは患者さんのがんの状態や、担当の医師によって判断が分かれます。例えばステージ3のA期で、胸腔内や鎖骨の上あたりにあるリンパ節への転移がない場合は、手術が可能な場合もあります。このように肺の一部を切除することもありますが、多くの場合、この段階での手術の目的は病気を完治させることではありません。あくまでも症状を軽減して進行を遅らせるための手段なのです。手術の方法としては以下の3種類があります。

開胸手術:胸部の皮膚を15~20cmほど切開し、肋骨の間を開いて行います。

胸腔鏡手術:皮膚を小さく数カ所切開して、胸腔鏡という細い棒状のビデオカメラを挿入し、モニターの画像を見ながら行うものです。

ハイブリッド胸腔鏡手術:小さい開胸部分(皮膚の切開は8cm以下)から肉眼での観察と、モニターの画像とを併用し、胸腔鏡の補助下で行います。

抗がん剤治療

がんの状態により、手術や放射線療法が適応されない患者さんには、抗がん剤を含む薬物療法を行います。のみ薬・注射によって投与された抗がん剤が血流に乗って全身をめぐり、がん細胞を死滅させる治療法です。
現時点では化学療法だけで肺がんを完治させることはできませんが、がんを縮小させる・進行を抑える・症状をやわらげる効果や延命効果が期待されています。

放射線療法

がんに直接放射線をあてて、細胞内のDNAを切断し、がん細胞にダメージを与える治療法です。エックス線撮影と同じように、放射線があたっても痛みを感じることはありません。進行した肺がんのステージ3では、放射線療法と化学療法を組み合わせるか、または放射線治療・化学療法のどちらかを使って治療します。
化学放射線療法(放射線治療と抗がん剤の併用)の場合、多くは入院しながら放射線治療を行います。副作用は、放射線を当てる範囲・量によってリスクは変わりますので、治療の際は担当の医師から説明を受けてください。

分子標的薬による治療

分子標的薬は、がん遺伝子により生成されるタンパク質などを標的として、がん細胞が増殖しにくい環境を整える治療法です。単独で使用されることもあれば、化学療法と併用される場合もあります。
分子標的薬は、従来の抗がん剤ではみられない特有の副作用が生じることがあるため、処方された場合は担当の医師か薬剤師から説明を受けましょう。

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