30代派遣社員、正社員になった方がいいの?

30代派遣社員、正社員になった方がいいの?

 

 

派遣社員として働いていて、給料や職場環境に不満はないものの、将来的には正社員になるべきか、なった方がよいのか考えることもあるのではないでしょうか。

正社員の中途採用求人は、キャリア形成のため35歳未満等に設定されているケースも多く、精神的に焦るというケースもみられます。

自分に合った働き方が何よりなのですが、まずは派遣社員として働き続けることのメリットやデメリットについて考えてみましょう。

 

 

派遣社員の現状は?

 

働く女性の雇用形態を年齢層別にみると、20代半ばから30代前半までは正社員が7割近くですが、30代後半以降は、年齢層が上がるにつれ非正規雇用の割合が高くなっています。

非正規雇用は、どの年齢層もパート・アルバイトの割合が最も高く、派遣社員は少数です。

 

派遣社員で注目したいのは、45~54歳の年齢層での就業割合が増えている点です。

 

派遣業務は、かつては事務アシスタントや受付などがおもで比較的若い人が歓迎され、「派遣35歳定年」と言われていました。

しかし、現在では、派遣社員は、社員と同等の業務を担う即戦力と捉えられており、未経験でも可能なものから専門性の高い業務まで多岐にわたっています。

求められるスキルや経験とコミュニケーション力があれば、年齢を重ねても派遣社員として働くことが可能になっています。

 

 

正社員と比べた場合のメリットは?

 

厚生労働省による派遣社員を対象とした別の調査では、派遣社員で働く理由として「自分の都合のよい時間に働きたいから」と回答した女性が約37%でした。

あえて正社員ではなく、派遣社員という働き方を選ぶ人が多くいます。

 

 

■女性が派遣労働者として働いている理由(複数回答)

自分に都合の良い時間に働きたいから

37.1%

正規の職員・従業員の仕事がないから

29.8%

家計の補助・学費等を得たいから

27.2%

家事・育児・介護等と両立しやすいから

18.0%

専門的な技能等を活かせるから

6.2%

その他

42.4%

   (「令和4年派遣労働者実態調査の概況」(厚生労働省)のデータを抜粋)

 

派遣社員であれば、仕事の紹介時に勤務地・勤務時間・業務内容等が明確なため、これまでのスキルや経験を活かせるとともに、ライフスタイルに合わせて働くことができます。

また、業務内容や責任が同等の範囲においては、正社員と同様の処遇を受けられるよう「同一労働同一賃金」が2020年4月より施行されています。

ボーナス相当分が時給に反映されているケースが多く、月給ベースでは役職者でない正社員を上回るケースもあります。

 

派遣社員のメリットをまとめると、次のとおりです。

ライフスタイルに合った働き方ができ、プライベートと両立しやすい
業務内容に見合った収入を得られる
得意分野の仕事を選べ、業務内容によっては専門性を高められる
業務範囲が決まっているので、責任が限定的

契約外の業務への対応を求められた場合、派遣会社に相談できる

 

 

派遣社員のデメリットは?

 

次に、派遣社員で働くデメリットについてみてみましょう。

派遣社員は、有期契約で業務範囲が限定されているため、正社員と比べると、収入や雇用が不安定で、キャリアアップが限定的です。

 

■収入面

一般的に、派遣社員の給与は時給制のため、年末年始など就業日数が少ない月は月収が減少します。

業務の習熟度により時給が若干上がることはあっても、業務範囲や役割が決まっているため大幅な収入アップは期待できません。

勤続年数が長くなるほど、昇給や昇格のある正社員との年収の差は広がる傾向にあります。

また、企業年金や退職金の制度もありません。

 

■雇用面

求人では長期派遣となっていても、3ヵ月や6ヵ月など期間ごとの契約更新が一般的で、派遣先の事情等で更新せずに終了となることもあります。

また、派遣社員自身が同じ職場で長く働きたいと思っても、一部の例外を除き最長で3年までに限定する「3年ルール」があります。

 

派遣就業見込みが3年となる場合、派遣元事業主には、下記①~④いずれかの「雇用安定措置」が義務付けられており、就業見込みが1年以上3年未満の場合は、②~④のいずれかの努力義務があります。

なお、③は、派遣会社と期間を定めない雇用契約を結び、正社員と同様の雇用形態となります。

この場合は、派遣会社の指示に従って派遣業務に従事する「無期雇用派遣」となることが大半です。

 

 ① 派遣先への直接雇用の依頼

 ② 新たな派遣先の提供(能力、経験等に照らして合理的なものに限る)

 ③ 派遣元での無期雇用

 ④ その他安定した雇用継続を図るために必要な措置

    (有給の教育訓練、紹介予定派遣など)

 

 

 

派遣社員のデメリットをまとめると、次のようになります。

 雇用や収入が不安定である
 「3年ルール」により、同じ職場で3年以上働けない
 業務内容が同じである場合、長く働いても収入が増えない
 定型業務が多く、キャリアアップは限定的である
 老後資金の準備ができない

 

 

まとめ

 

雇用の安定や収入面を第一に考えると、正社員での働き方が優位ですが、プライベートや子育ての時間確保と自由性という点では派遣での働き方は魅力的です。

仕事に対する価値観や家族構成・年代によっても変わるため、ライフプランと照らし合わせたうえで長期的な視野で考えることが大切です。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、何を重視するか、優先させるかで考えたいものです。

 

派遣社員として働いていて、正社員が気になっているのであれば、派遣会社の担当者やハローワークなどに相談するとよいでしょう。

正社員での働き方は多様化しており、時間にとらわれない働き方や短時間正社員制度の導入を実現している会社もあります。

実際に行動に移してみることで、納得のいく答えが見つかることも多いものです。

 

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