給与体系には「固定残業制(定額残業制)」といわれる制度があり、人件費の把握や時間外労働の規制に効果があるという理由から、導入している企業もあります。
なかには、固定残業代が支払われているにもかかわらず、給与が少ないと感じる方もいるかもしれません。そこで今回は、固定残業代の仕組みについて解説します。
固定残業制とは?
固定残業制とは、時間外労働の時間にかかわらず毎月定められた金額を残業代として賃金に上乗せする制度です。基本的に、固定給とは別で設定されています。
仮に月20時間を固定残業時間と設定している場合、実際の残業時間が15時間であっても20時間分の残業代が固定で支払われるのです。原則として、規定の残業時間を超えた場合は、超過分の残業代を追加で支払われます。
40代の平均月収
固定残業制の仕組みが分かったところで、実際に40代で固定残業代込みの月収が30万円というのは少ないのかを確認してみましょう。国税庁長官官房企画課によると、40代の平均月収は表1の通りです。
表1
男女計 | 男性 | 女性 | |
---|---|---|---|
40~44歳 | 491万円 | 602万円 | 335万円 |
45~49歳 | 521万円 | 643万円 | 346万円 |
※国税庁長官官房企画課「令和4年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-」を基に筆者作成
表1の平均年収(男女計)を単純に12ヶ月で割ると、40~44歳では約41万円、45~49歳では約43万円となります。
上記の数字には賞与が入っているため、実際の月給にするともう少し額が減るでしょう。月収30万円が平均と比較して多いか少ないかは、賞与の金額次第です。
もちろん給与は、会社や役職によっても大きく変わります。あくまで目安でしかありませんが、固定残業代が労働時間に見合っているのか、固定残業代を除く賃金はいくらなのかを正しく把握することが大切です。
配信: ファイナンシャルフィールド