5歳の子のママ友から「学資保険の加入が小学校入学まで」と聞いて慌てています。いろいろな保険会社で扱っていますが、何を基準に選べばいいですか?

教育資金は「人生の三大資金」の1つであり、住宅資金や老後資金と同じく、事前の準備が大切です。
 
文部科学省の調査によれば、私立大学の初年度納付金は、文科系学部で119万4841円、理科系学部で153万451円であり、特に大学の学費等に備えた準備が必要であることが分かるでしょう。
 
教育資金を準備する方法の1つに「学資保険」があります。今回は、学資保険の特徴や、メリット・デメリット、選ぶ際のポイントを紹介します。

学資保険の特徴

学資保険(「こども保険」とも言われます)は、親(原則として父または母)が保険契約者、子どもが被保険者となって契約します。これは子どもの将来に備える保険であり、3つの特徴があります。

 

・契約時に定めた年齢になると祝金を、満期になると満期保険金を受け取ることができます。祝金や満期保険金の受け取り方には複数のタイプがあり、保険金の使い方に合わせて選択することができます(祝金がないタイプもあります)。

 

・保険期間中に、親などの保険契約者が死亡または高度障害状態になった場合、それ以降の保険料の支払いが免除されます。なお、保険会社によっては支払い免除が特約になっており、別途契約が必要になる場合があります。また、支払い免除になった場合に満期まで毎年年金を受け取れる「育英年金」の特約を付加できる商品もあります。

 

・保険期間中に、被保険者である子どもが死亡した場合、死亡保険金を受け取ることができます。

 

学資保険は、保険契約者である親に万が一のことがあった場合でも、祝金や満期保険金を受け取る機能があるのが、最大の特徴です。また、学資保険の満期は17歳から22歳に設定されていることが多く、大学の学費の準備に向けた商品といえるでしょう。

 

学資保険のメリットとデメリット

教育資金を準備する方法は、学資保険だけではありません。預貯金や投資商品などで準備することもできるため、学資保険はメリットとデメリットを考えて加入しましょう。学資保険には、例えば次のようなメリットがあります。

 

・保険契約者に万が一のことがあった場合、基本的に保険料の支払いが免除される。

・毎月または毎年保険料を払うため、計画的に教育資金を準備できる。

・所得税と住民税における、生命保険料控除の対象となる。

 

逆に、次のようなデメリットもあります。

 

・保険金の支払時期が決まっているため、簡単に引き出すことができない。

・途中解約した場合、解約返戻金が払った保険料より少なくなる場合がある。

・契約時に利回りが決まるため、契約のタイミングによっては、低い利回りで長期間運用することになる。

 

積立の貯蓄や投資を活用して教育資金を準備したい人は、あえて学資保険を選択する必要はありません。また、低金利の時代は保険金の返戻率(後述)が低いため、学資保険に加入するメリットが少なく、貯蓄でよいかもしれません。

 

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