年収が300万円以下だと「低年収」と見なされることもあります。300万円程度から年収が一向に上がらないのに昨今は物価がどんどん高くなり、生活に不安を感じている人も多いのではないでしょうか。
本記事では年収300万円前後の世帯が東京で生活を続けるために、とるべき対策などを解説します。
東京都の勤労者世帯の平均年収は約820万円
東京都統計局が公表している「東京都生計分析調査報告(年報)令和4年」によると、東京都の勤労者世帯の1ヶ月当たりの平均収入は「68万4038円」です。単純に考えると、この金額に12を乗じ、平均世帯年収は約820万円と計算されます。
年次ごとの実収入と消費支出の推移は図表1のようになっています。
図表1
東京都の統計 「都民のくらしむき」東京都生計分析調査報告(年報)令和4年
平成25年からの推移をみると東京都の消費支出は35万円程度で横ばいでしたが、実収入はここ10年で50万円台後半から70万円台前半に増加しています。年収300万円という数字は、いまの東京都の平均世帯年収を大幅に下回っているということになります。
東京都の年収300万円以下の生活費は平均して20万4797円
「東京都生計分析調査報告(年報)令和4年」では、年収400万円未満の世帯の消費支出(生活費)の平均が公表されています。年収300万円の世帯とは額が異なる可能性もありますが、大まかな生活費をイメージすることは可能でしょう、
東京都の年収400万円未満世帯の平均的な生活費は図表2のようになっています。
図表2
東京都統計局 東京都生計分析調査報告(年報)令和4年を基に筆者作成
「年収300万円」はあくまでも総支給額であるため、実際に使えるお金は「手取り額」で考える必要があります。年収の80%が手取り額と仮定すると、年収300万円の人が生活費の支払いで使える金額は約240万円です。
図表2では、東京都の年収400万円未満の世帯の生活費は平均23万8889円でした。年間にすると286万6668円となり、手取り240万円では平均的な生活費をカバーできない可能性があります。
年収300万円の人は生活費が都心よりも安い郊外や地方に移住するか、収入や支出を見直す必要性が高いといえます。
配信: ファイナンシャルフィールド