治療期間と回数は? 費用の目安についても解説
編集部
ピコレーザーのメリットを教えてください。
小林先生
ピコレーザーは、皮膚への負担が少ない(合併症が少ない)という点で非常に優れています。レーザー機器の種類に「YAGレーザー」というものがあり、ピコ秒照射するものを「ピコ秒YAGレーザー」と言います。ピコ秒YAGレーザーと比較すると、Qスイッチルビーレーザーの方が青アザに対するキレが良いように思います。これは「ピコ秒」だからダメということではなく、Qスイッチルビーレーザーの方がメラニンに対する反応性が高いためです。
編集部
それでは、青アザの治療はQスイッチルビーレーザーを選択した方がいいということですか?
小林先生
いいえ、必ずしもそういうわけではありません。ピコ秒YAGレーザーの方が若干、治療回数は多くなるものの、肌へのダメージが少ないため、最終的には、良い結果に仕上がります。ピコ秒YAGレーザーの一般的な治療回数は、5回程度です。3カ月間隔で治療するので、約1年の期間がかかります。
編集部
費用はどれくらいですか?
小林先生
レーザーの照射面積により、費用は異なります。1部位で3割負担の場合、4c㎡未満で6000円、16c㎡未満で7110円、64c㎡未満で8700円、64c㎡以上は上限なしで1万1850円です。それに加えて、初診料、再診料、麻酔料、投薬料が別途、必要となります。なお、Qスイッチルビーレーザーの保険適用は5回までの治療制限があります。その一方で、ピコ秒YAGレーザーは治療回数に制限がないため、最後まで保険適用で治療可能です。
編集部
治療時間はどれくらいですか?
小林先生
治療する面積によって異なりますが、だいたい数分~15分程度です。
編集部
アザ治療を受けた後の注意点について教えてください。
小林先生
施術後にできるかさぶたがある間は、ガーゼなどでしっかり保護することが重要です。また、施術後の肌は敏感になっているので、紫外線対策を確実におこないましょう。ただ、従来のレーザーと比較して、皮膚の下に空洞ができることが少なく、かさぶたのでき方が弱いのが特徴です。そのため、皮膚に対する負担は少ないでしょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
小林先生
レーザー機器の進歩によって、アザの治療は格段の進歩を遂げました。さらに、ピコレーザーの登場により、合併症の少ない治療も可能になりました。今回は青アザをメインで解説してきましたが、茶アザに対してもピコレーザーは適応となります。従来、茶アザは再発傾向が強いため効果が出にくいことが多いことに加え、Qスイッチルビーレーザーによりダメージを与えることがあり得るため、治療を躊躇することもありました。しかし、ピコレーザーによる治療はその懸念が少ないので、色の薄いアザに対しても治療をおこなえるようになりました。これからアザ治療を受けようと考えている場合は、ピコレーザーを第一選択肢にすることをおすすめします。
編集部まとめ
アザに対する治療法は、アザの種類などによって様々です。近年ではレーザー機器が飛躍的に進化し、これまでは治療が難しかったものも改善が期待できるようになっています。もし、アザ治療に悩んでいる場合には、ぜひ専門医に相談してみましょう。
配信: Medical DOC