「白血病の生存率」はご存知ですか?小児・成人別に解説!医師が監修!

「白血病の生存率」はご存知ですか?小児・成人別に解説!医師が監修!

白血病の寛解率とは?

寛解率とは、患者さん全体の人数に対してどのくらいの方が寛解したかという割合を表した数字です。
白血病では種類ごとに寛解率が異なりますが、年齢が若い患者さんほど寛解率が高くなりやすい傾向にあります。
例を挙げると、急性骨髄性白血病(AML)では80%前後、急性リンパ性白血病(ALL)では小児90%前後・成人80%前後です。しかし、寛解は「病気が消えた」という状態ではありません。一度寛解した後、再発する可能性もゼロではないのです。

白血病の種類

白血病は、その症状によってさまざまな種類に区分されます。ここでは白血病の中でもよくみられる以下の5種類について解説します。

急性骨髄性白血病

急性リンパ芽球性白血病

リンパ芽球性リンパ腫

急性前骨髄球性白血病

慢性骨髄性白血病

多くの白血病に共通する特徴のひとつが「風邪に似た症状が多い」ことです。発熱や頭痛が長引いている・徐々に強くなっている場合は、速やかに医療機関で相談しましょう。

急性骨髄性白血病

急性骨髄性白血病(AML)は、その名の通り進行が早い種類の白血病です。突然症状が現れ、急速に悪化していくことが特徴です。
症状としては息切れ・動悸・鼻血・歯茎からの出血・発熱・頭痛・関節痛などがあります。また、急性骨髄性白血病は小児の白血病のうち約25%を占める病気です。小さな子どもに疑わしい症状が出た場合は、さらに注意が必要といえます。

急性リンパ芽球性白血病

急性リンパ芽球性白血病は、「急性リンパ性白血病」(ALL)と表記されることもあります。これは白血球を形作っている「リンパ球」になる前の細胞ががん化して起こる病気です。
他の白血病と比較すると、脳や脊髄などの中枢神経に影響が及ぶことがある点が特徴です。急性リンパ芽球性白血病特有の症状としては、リンパ節の腫れが挙げられます。
リンパ節は首・脇の下・鼠径部などに存在し、免疫機能の要となっている器官です。リンパ節が腫れると、しこりのような状態になり、皮膚の表面から触れられるため気づきやすいでしょう。
リンパ節は風邪などの身近な感染症でも腫れることがありますが、長引く場合は白血病やそのほかの病気を疑い、医療機関を受診してください。また、急性リンパ芽球性白血病は小児の白血病のうち約75%を占めている病気です。急性骨髄性白血病と同様に、周囲の大人が気を配りましょう。

リンパ芽球性リンパ腫

リンパ芽球性リンパ腫は、急性リンパ芽球性白血病と同様に、リンパ球ががん化して発生する病気です。症状も似ており、貧血・息切れ・動悸・鼻の内側や歯茎などからの出血が挙げられます。
骨髄で白血病細胞が増殖している場合に急性リンパ芽球性白血病、リンパ節で増殖している場合はリンパ芽球性リンパ腫です。治療法としては急性リンパ性白血病と同様で、抗がん剤を主軸とし、段階的に再発予防・治癒を目指していきます。
リンパ芽球性リンパ腫は小児向けの治療法が成人にも有効な場合があり、医師による慎重な判断が求められます。リンパ芽球性リンパ腫も進行が早い傾向があるため、粘膜からの出血などといった疑わしい症状が出た場合には、速やかな受診と治療開始が必要です。

急性前骨髄球性白血病

急性前骨髄球性白血病(APL)は、白血病の中でも出血を伴う症状が強く出る病気です。
歯肉・鼻・網膜・皮下などの目に見える部分のほかに、頭蓋内出血や過多月経等もみられます。過多月経によって婦人科を受診した・抜歯の際に止血困難になったなどがきっかけで、発見されやすい病気です。
ほかには、動悸・息切れ・発熱といったほかの白血病でみられる症状も現れます。

慢性骨髄性白血病

慢性骨髄性白血病(CML)は赤血球・白血球・血小板などを作る「造血管細胞」に異常が起き、これらが無制限に増えることで本来の働きができなくなる病気です。
慢性期→移行期→急性転化期という経過をたどり、慢性期にはほとんど症状がないことが特徴といえます。慢性という名の通りゆっくりと進行するため、初期段階では自覚症状がほとんどありません。
移行期や急性転化期に入ると、息切れ・動悸・出血・倦怠感・発熱・脾臓の腫れによる腹部膨満感などが現れます。

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