税制改正が行われたようですが、子育て世帯に関係のある制度はどのように変わったのですか?

扶養控除およびひとり親控除の見直し

児童手当の改正(所得制限の撤廃・支給期間18歳まで延長)に伴い、扶養控除額が縮小されることになりました。16歳から18歳の扶養親族の扶養控除額が、所得税では38万円から25万円へ、住民税では33万円から12万円に縮小される予定です。

 

ひとり親控除について、とりわけ困難な境遇に置かれているひとり親の自立支援を進める観点から、対象となるひとり親の所得要件について、現行の合計所得金額500万円以下を1000万円以下に引き上げる予定です。

 

また、ひとり親の子育てにかかる負担の状況を踏まえ、ひとり親控除の所得税の控除額については、現行の35万円を38万円に引き上げ、個人住民税の控除額については、現行の30万円を33万円に引き上げる予定です。

 

扶養控除およびひとり親控除の見直しについて、所得税は令和8年(2026年分)から、住民税は令和9年(2027年分)からの適用が検討されています。

 

生命保険料控除の拡充

生命保険の遺族保障は、遺族の生活費や子どもの教育費用への備えとして重要です。また、人生100年時代を迎え、老後生活に向け、資産形成や医療、介護などへの備えも重要性を増しています。

 

死亡保険・介護医療保険・個人年金保険が持つ私的保障の役割はますます大きなものとなっています。生命保険の重要性が高まっていることから、子育て支援策の一環として、23歳未満の扶養親族を有する場合には、一般の生命保険料控除の限度額が4万円から6万円へ増額される予定です。

 

なお、一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除の合計適用限度額は現行と同じ12万円(所得税)のままです。また、一時払生命保険については、控除の適用対象から除外されます。

 

適用時期について「扶養控除等の見直し」と併せて行う子育て支援税制として、令和7年度税制改正において検討され結論が得られる予定です。以上、ご自身に関係のある制度については、詳細をしっかりチェックしましょう。

 

出典

財務省 令和6年度税制改正の大綱(目次)

財務省 令和6年度税制改正(国税)等について

自民党 令和6年度税制改正大綱

国土交通省 住宅ローン減税の制度内容が変更されます! ~令和6年度税制改正における住宅関係税制のご案内~

金融庁 令和6年度税制改正大綱における金融庁関係の主要項目について

 

執筆者:新美昌也

ファイナンシャル・プランナー。

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