「年収1200万円」あっても、貯蓄がなければ老後はヤバい!? 高収入でも“安心できない理由”を解説

国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、年収が1000万円以上の給与所得者は全体の5%程度しかいません。それだけ高収入なら将来は安泰だろうと思う人もいるかもしれませんが、たとえ年収が1200万円あっても、貯蓄が全くない場合は老後の生活に苦しんでいる可能性があります。
 
本記事では高収入でも、必ずしも老後は安泰とは言い切れない理由について解説しています。

将来受け取る年金には上限がある

もしも老後に貯蓄が全くなく、働いてもいない場合、基本的な収入源は年金になるでしょう。会社員の場合、老後は老齢基礎年金と老齢厚生年金をもらえます。

 

老齢基礎年金の受給額は、受給資格期間などの要件を満たしているかどうかで決まり、2023年度においては老齢基礎年金の満額は年間で79万5000円です。

 

老齢厚生年金は「報酬比例部分」「経過的加算」「加給年金額」の合算ですが、大半は「報酬比例部分」が占めます。

 

そして、報酬比例部分は年収が高くなるほど増えますが、上限があり、だいたい年収が780万円くらいで頭打ちです。

 

年収1200万円の会社員が受け取る年金受給額

年収1200万円の会社員は、将来どれくらい年金を受け取れるのでしょうか。年金は基本的には65歳以降もらえますので、今回は20~60歳まで働き、その間の平均年収が1200万円、65歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給開始したとします。

 

まず老齢基礎年金ですが、このケースでは満額の年間79万5000円が受給できます。

続いて、老齢厚生年金の報酬比例部分ですが、こちらの計算式は次のとおりです。

 

・報酬比例部分=平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の厚生年金加入月数

 

標準報酬額は、年収が増えるほど大きくなりますが、前記のとおり、年収が1200万円の場合は既に上限を超えています。そして、生涯の平均年収が1200万円の場合、平均標準報酬額は65万円になります。そのため、計算すると報酬比例部分で受け取れる年金受給額は171万72円です。

 

先ほどの老齢基礎年金の79万5000円と老齢厚生年金の報酬比例部分を合算すると「250万5072円」となります。

 

関連記事: