「急いで再就職したから失業手当を全額もらえなかった」というように、失業手当や再就職手当について不満がある人も多いことでしょう。
失業手当受給中に再就職手当をもらってしまうと、失業手当の受給額が少なくなってしまいます。しかし、就業促進定着手当が受給できれば、減ってしまった受給額を補うことが可能です。
本記事では、再就職手当をもらった場合、失業手当がどの程度減ってしまうのか、就業促進定着手当はどのような手当なのか解説します。少しでも失業手当を多く受けたい人は、ぜひ参考にしてください。
再就職手当を利用すると、どの程度受給額が減る?
再就職手当とは、失業手当の受給中に再就職したときに受け取れる手当です。
再就職手当は、失業手当の受給できる日にちがどの程度残っているかによって次のように変わります。
失業手当の支給日数を所定給付日数の
●3分の2以上残して再就職した場合:基本手当の支給残日数の70%
●3分の1以上残して再就職した場合:基本手当の支給残日数の60%
まず再就職手当を利用すると、どの程度受給額が減るのか計算してみましょう。
年収500万円の30歳会社員が、雇用保険に10年加入していたと仮定します。
上記のケースで自己都合退職すると所定給付日数は180日、賃金日額は7605円となります。
そして、失業手当の所定給付日数の60日を残して再就職した場合、基本手当の支給残日数の60%になるため、「再就職手当は27万3780円」です。120日分である失業保険91万2600円は通常どおり受け取っているため、再就職手当と合計して118万6380円受け取ったことになります。
しかし、180日間失業保険を受け取れば合計で136万8900円となるので、その場合に比べ、18万2520円の損との計算になります。
就業促進定着手当とは
前記のような場合でも、就業促進定着手当が受給できれば、再就職手当を受け取った場合に少なくなった額をある程度補える可能性があります。
就業促進定着手当が受けられる条件は、次のとおりです。
●再就職手当の支給を受けている
●再就職の日から同じ事業主に6ヶ月以上雇用保険の被保険者として勤務している(企業した人は除く)
●再就職後6ヶ月間の賃金の1日分の額が離職前の賃金日額を下回ること
就業促進定着手当が受給できる場合、次の計算式で計算した金額を受給できます。
(離職前の賃金日額-再就職後6ヶ月間の賃金の1日分の額)× 再就職後6ヶ月間の賃金の支払基礎となった日数
※再就職後6ヶ月間の賃金の1日分の額の計算方法(月給の場合)
再就職後6ヶ月間の賃金の合計額 ÷ 180
配信: ファイナンシャルフィールド