設備投資で考慮すべきポイント
高額の家賃を得るためには、設備の充実が不可欠です。特に近隣の賃貸住宅との比較が重要で、設備内容によって家賃は変わってきます。その主なポイントは、以下のとおりです。
(1)建物の構造かどうなっているか
(2)築年数はどのくらいか
(3)二重の鍵だけでなくオートロックなど防犯設備があるかどうか
(4)若い世代には必須のネット環境や宅配ボックスの整備がされているか
まず(1)の構造は、鉄筋コンクリート構造ならば耐震・耐火の要件があり、木造に比べると2~4万円高く設定できる傾向にあります。
(2)の築年数では、5年未満と5年以上を比較すると2~3万円の差があり、さらに新築物件と築10年超の物件とでは、4~5万円ほど差が開く傾向です。
(3)の鍵は、オートロックになっているかどうかで2万円ほど違ってくることもあります。(4)は、ネット環境や宅配ボックスの整備がされていると、1万円以上差が出る可能性があります。
(※金額は筆者の取材によるもので、あくまで目安です)
賃貸住宅では、家賃とは別に管理費や共益費が発生します。貸す側はもちろん借りる側も、事前の確認が大切です。特に貸す側は家賃滞納に備え、連帯保証人を立てる、または保証会社と契約し借りる側に保証料を払ってもらう、ということも必要になります。
設備を最新に切り替え、高い家賃収入を目指すことも一つの考えですが、多額のローンを組んでの賃貸経営は、リスクも考慮しなければなりません。例えば、大学や工場の移転など地域社会の変化により、賃貸経営が厳しくなる事態もありえます。
また、賃貸アパートの急増など、周囲の状態に目を配ることも大切です。特に所有賃貸物件数が少ない方の場合、入居者が決まらないと投資金額の回収が難しくなります。
こうした事態を避けるためには、建物の修繕費は最低限に抑え、賃貸住宅の家賃を周囲と比較して安く抑えることも一つの方法です。収入は減りますが、空室を減らすことで、安定した賃貸経営ができます。
特に駅から20分以上かかる地域では、設備投資を行っても入居者が決まらない事態も招きかねません。この場合は、入居対象者を若いファミリー層に限定せずに考えましょう。設備はやや劣っていても、家賃が安く比較的広い間取りの賃貸物件を希望する層もいるはずです。年齢層を限定せずに、入居者を探すのも一つの方法といえます。
執筆者:黒木達也
経済ジャーナリスト
監修:中嶋正廣
行政書士、社会保険労務士、宅地建物取引士、資格保有者。
配信: ファイナンシャルフィールド
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