血液検査の白血球の正常値はどれくらい?メディカルドック監修医の白血球の正常値・異常値で見つかる病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。
白血球とは?
血液には、白血球、赤血球、血小板の3種類の血液細胞が存在します。この中で白血球は、血液1μLあたり3300〜8600個あり、顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)、単球、リンパ球からなります。
この記事では、白血球の役割や正常値について学んでいきましょう。
白血球の役割とは?
白血球の役割は、ウイルスなどの外敵を食べて殺す貪食作用と、免疫を作る免疫作用です。白血球は、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球という5種類の細胞に分けられます。
好中球は、白血球の約20〜50%を占め、細菌などの異物を細胞内に取り込む「貪食」といった感染を防ぎ異物を除去する役割があります。リンパ球はT細胞、B細胞、NK細胞の3種類に分けられ、ウイルス感染細胞を攻撃したり、抗体を作りだしたり、免疫を記憶したりする役割を果たしています。そのほか、10%弱が単球、1〜5%が好酸球、0〜1%が好塩基球です。単球は、組織でマクロファージとなり病原体の補食、リンパ球への抗原提示、腫瘍細胞の攻撃を行います。好酸球は寄生虫への防御や喘息・アレルギー反応の調整、好塩基球は即時型アレルギー反応に関与します。
白血球は血液検査の何の項目で調べる?
末梢血液一般検査という血液検査で、末梢血液1μL中の白血球数を測定します。また、さらに白血球の種類を詳しく調べる検査として、末梢血液像(白血球分画)により好中球やリンパ球などの割合を調べます。
血液検査結果の「白血球」の見方と正常値・再検査が必要な数値
ここまでは診断されたときの原因と対処法を紹介しました。再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。
血液検査の白血球の単位(/µL・×10³/µL)の見方は?
白血球は、血液1μL中に何個の白血球があるかを測定します。1μLとは、1mLの1000分の1に相当する体積の単位です。1mm3の立方体にも例えられます。
白血球の正常値は、3300〜8600/μLです。これは、血液1μL中の白血球の個数です。この単位は3.3〜8.6×103/μLとも表されます。日本人間ドック・予防医療学会において白血球数の異常値としては、10000/μL以上とされています。
白血球の正常値は年代別(子供・大人・高齢者)で異なる?
白血球数は年代により異なります。特に、小児期では白血球数が成人より多いのが特徴です。出生後だいたい1歳ごろをピークに、その後徐々に減り、15歳ごろより成人の白血球数と同じ程度となります。成人では、年齢が上がってもそれほど変化はありませんが、高齢者でやや低めとなります。
子どもの正常値が高めになるのは、免疫系が発達途中で外部の刺激に敏感に反応するためと考えられています。
年齢 1歳 6歳 12歳 15歳 20歳
白血球数(男性) 4.3~19.6 4.1~16.3 4.0~10.7 3.9~9.8 3.8~9.5
白血球数(女性) 4.3~19.1 4.1~15.0 3.8~10.1 3.8~9.4 3.7~9.4
(単位:103/μL)
白血球と赤血球・他の血液検査との関係は?
白血球と赤血球、血小板は血液中の血液細胞です。これらの血液細胞が全て低い場合には、再生不良性貧血など血液の病気の可能性があります。白血球だけでは正確な診断ができないため、末梢血液像(白血球分画)やCRP(C反応性蛋白)の数値も併せて総合的に判断します。
CRPは感染症などの全身の炎症があるかを調べる指標であり、白血球数と同時に見ることで、より詳しく体の状態を把握できます。
血液検査の「白血球」の異常値・再検査基準と内容
白血球数が3000/μL以下もしくは10000/μL以上の場合には再検査が勧められます。一過性の変動もあるため、まずは再検査を行い異常値が持続しているかを調べます。風邪をひいている場合は治った後に受けましょう。
検査内容:末梢血液一般検査、白血球分画(血液像)
どこで受けるか:内科、血液内科
緊急度:10000/μLを大きく超える場合や体調不良がある場合は早急に

