商店街のアーケードを抜けた先、ガラス越しにふわりと浮かぶ不思議な世界。ロンT、キャップ、マットまでもが“妖怪”というこの店、「ビリビリモンスター」は、派手なのにどこか品があって、ふざけているようで妙に奥ゆかしい。
こわいような、でも笑ってしまうような。そんな“あいまい”が、布施という町にはよく似合う。
妖怪たちは今日も、まちのすき間にふっと現れて、ビリビリっと、感覚をくすぐってくる。

ガラスのむこうに、何かがいる気がした
布施駅から本町通商店街をふらり。にぎわいを抜けて少し脇道にそれると、静かに光るショーウィンドウがある。中をのぞくと、なにやら色とりどりの“顔”がずらり。キャップにロンT、そして壁いっぱいのマットたち。全部、妖怪。

ここは「ビリビリモンスター」。妖怪をテーマにした、ちょっと不思議なコンセプトショップ。かわいいけど、ちょっとこわい。軽いようで、じんわりと重みがある。すべてが“ちょうどよく”まざっている。
昔話は、まだ息をしているかもしれない
この店が布施にある理由を考えていたら、ふと、昔聞いた話を思い出す。

たとえば枚岡神社に伝わる「姥が火(うばがび)」。灯明の油を盗んだ老婆の霊が、雨の夜に火の玉となって空を舞う——そんな伝承が、今もこの土地には静かに残っている。
「信じる・信じない」ではなくて、「そういう気配がある」と思わせてくれる空気。ビリビリモンスターが、この町にすんなり馴染んでいるのは、きっとそのせいだ。妖怪は“昔話”じゃなく、今もこの町の隅に生きているのかもしれない。
