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「不機嫌ハラスメント」放置で賠償責任も? 企業が負う「フキハラ」対応義務とは

「不機嫌ハラスメント」放置で賠償責任も? 企業が負う「フキハラ」対応義務とは

●「ハラスメントと認定された」ってどういうこと?パワハラとは違うの?

この件に関するニュースは、報道ごとに書きぶりが少し異なっています。朝日新聞は「フキハラと認定した」と報じています。一方、毎日新聞はより踏み込んで「パワハラには当たらないと判断された」と明記しています。

整理すると、警視庁は今回の行為について「法律上のパワハラには当たらない」と判断しつつも、「フキハラ」として職場環境を悪化させた行為は組織として看過できないと考え、監督上の措置を発動した、というのが実態のようです。

その理由ははっきりしませんが、前述した3要素のうち、「②業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動」の認定が難しかった可能性があります。明確に被害を申告した人がいなかったこと、「指摘・指示はもっともだった」という声もあったことが、その一因と考えられます。

今回は「フキハラだがパワハラではない」ということのようですが、注意すべきなのは、「フキハラはパワハラにならない」という一般化はできないことです。

あくまで「今回の事案では」パワハラとまでは認定されなかったというだけであり、フキハラ的な行為がパワハラと認定されることは十分にあり得ます。

また、パワハラと認定されなくても、組織の内部基準に基づいて「不適切な言動」として処分されることはあり得ます。「法律違反ではないから大丈夫」ではなく、法律よりも広い範囲で組織としての行動規範が求められているのです。

●「警務部長注意」とは?

今回、警視正は「警務部長注意」という処分を受けたと報じられています。これは「懲戒処分」ではありません。

公務員の懲戒処分は、国家公務員法82条により、免職・停職・減給・戒告の4種類に限定されています。

懲戒にあたらない軽い処分として「訓戒」と「注意」があります。「注意」はこの2つのうち軽い方です。

今回、「警務部長注意」となったのは、法律上のパワハラが認定されなかったことや、明確に被害を訴えた部下がいなかったことが背景にあると考えられます。

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