●渡邉彰悟弁護士との出会い
帰国後は早稲田大学法科大学院に進学。ローレビュー雑誌編集や留学生との交流など活動の幅を広げる中で、最も大きかったのが、難民問題の第一人者、渡邉彰悟弁護士との出会いだったという。
「早稲田を選んだのは、他校にはない外国人法クリニックの授業があったからです。実務家教員だった渡邉先生と一緒に事件を担当させてもらい、難民事件に取り組みたいと思うようになりました」
在学時、難民申請中のコンゴ出身者と出会った経験も、その思いを後押しした。
「難民が国外に逃れざるを得ないのは、その国に深刻な人権問題があるからです。難民事件を担当しながら、ビルマの人権状況改善にも取り組む渡邉先生の姿は、弁護士として一つの理想像でした」
●国内法では難しい問題に「国際的」にアプローチする
司法試験合格後は、東京共同法律事務所に入所した。
「外からは“労働問題に強い事務所”という印象を持たれがちですが、国内の人権問題を議論していても国際人権条約の話題が出るくらい、実は国際派の事務所です」
これまで日本の裁判所は、国際人権法の主張を積極的に採用してこなかった。そのため、実務で役に立たないと考える弁護士は少なくなかった。
だが、小川さんは、国内法だけでは解決が難しい問題こそ、国際的な視点が必要だと語る。
「東京共同では、原発事故、監獄や入管収容、基地問題、霊感商法など、人権に関わる難しい案件を多く受任しています。国際人権条約を使うのは、国内法だけでは突破できない壁を越えるためです」

