●若手弁護士に人権問題に関わってもらうために
多くの公共訴訟を手がけながら、国際NGOの事務局長もつとめる小川さんだが、仕事の配分は特に意識していないという。
「NGOでは組織の維持や運営をフォローしつつ、最近は『ビジネスと人権』の分野に力を入れています。企業のほうが国よりも反応が早く、人権意識は高まっていると感じます」
2026年度からは、渡邉弁護士の後任として早稲田大学法科大学院で外国人法クリニックの講義を担当する。
「まだ早いのではないか、と思いつつ引き受けたのは、人権分野に関わる若手弁護士が減っているからです。今、弁護士は忙しさから余裕がなくなっています。学生のうちから関わることで、“忙しくても、一定の時間は人権活動に当てるもの”と、そんな意識を持ってもらえることを期待しています」
人質司法、格差、戦争、気候変動──。子ども世代の未来を考え、問題を先送りせず、少しでも改善したいという思いが原動力だという。
「大学時代はNGOで活動しながら法律を学び、弁護士になってからは勉強が実務に変わりましたが、やっていることはあまり変わっていないんです。振り返ると、いろいろなことがつながっていますね」
【プロフィール】おがわ・りゅうたろう/1984年東京生まれ。早稲田大学法学部、早稲田大学法科大学院卒業。2013年弁護士登録。東京共同法律事務所に在籍。認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ事務局長、日本弁護士連合会国際人権条約WG自由権規約PT事務局次長、全国難民弁護団連絡会議世話人、国際人権法学会理事などをつとめる。

