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受刑者に髪を切ってもらえる“塀の中の理容室”、川越少年刑務所に行ってみたら想像とまったく違った…体験ルポ

受刑者に髪を切ってもらえる“塀の中の理容室”、川越少年刑務所に行ってみたら想像とまったく違った…体験ルポ

●客の要望を入念に確認

筆者が「どんな感じでできますか?」と逆質問すると、「刈り上げだとか、フェードだとか、ツーブロックだとか…」と説明してくれた。

「フェードってなんですか?」と聞くと、「けっこう短めの0ミリとかの刈り上げもできますし、普通の耳を出すだけのすっきりしたものもできます」とわかりやすく教えてくれる。

「全体的に短くしたい」と伝えると、「何か参考になるものを取ってきていいですか?」と言って、カットモデルのカタログを持ってきた。

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筆者があるモデルの髪型を指差して「こんな感じで」と伝えると、「刈り上げたくない、とかはありますか?」「そんな短くしちゃって大丈夫ですか?」「トップの毛はどうですか?」など、細かく確認してくる。

目線を合わせながら話を聞き取り、「では様子を見ながらで」と言ってカットが始まった。

まず、鏡の前にある洗面台に上半身を倒し、温水シャワーで髪全体を濡らす。

「お湯加減いかがですか?」

ちょっとした気遣いも忘れない。

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次にタオルで水を拭き取り、くしで髪をとく。

「普段、前髪は下ろされていますか?」
「前髪、今どうですか?」
「眉毛よりも上になっちゃって大丈夫ですか?」

入念な確認が続く。

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●事件に関する会話はNG

いよいよカットが始まった。

サクッ、サクッという小気味よい音が耳元に響く。

ところで、筆者はかなりの近眼で、メガネが手放せない。そのため、カット中に鏡を見ても、自分の髪がどう切られているのかよく見えない。

中学と高校では野球部に所属し、丸刈りが当たり前だった。髪型を気にする暇もなく、自分でバリカンで刈っていた。

大学生になってから店でカットしてもらうことがあったが、仕上がりを見たときに「なんか違う」と感じることが度々あった。

社会人になってからは、転勤するたびに新しい店を探すのも面倒で、足が遠のいていった。

そんな経緯もあって、今でもバリカンやスキバサミを使い、自宅でセルフカットするのが習慣になっている。

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今回、塀の中の理容室を利用するにあたって、どんな髪型になるかというよりも、現役の受刑者に髪を切ってもらうという体験そのものに強い興味があった。

どんな事件を起こしたのか。
なぜ犯罪に手を染めてしまったのか。
刑務所の生活はどうか。
出所後は何をしたいか。

あわよくば、そんな話を直接聞けるのではないか、という期待もあった。

ただ、この点については、事前に刑務所の職員から説明を受けている。

「散髪に関する受刑者との会話はOKだが、事件に関することは話せない」

そう言われていた。

話しかけたい気持ちを抑える中、担当の受刑者は手慣れた様子で、頭全体の髪の量を整えるようにハサミを動かしていく。

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