●刑事局長が依頼した8人全員が法制審案に賛成
こうした経緯を踏まえて、改めて法制審のメンバーを見てみる。
法制審の見直し案について、採決に参加した委員13人のうち、反対したのは日弁連が推薦した弁護士の3人だけ。
賛成した10人のうち、学者5人はすべて刑事局長が候補として示していた人物だった。これに刑事局長、警察庁刑事局長、東京高検の検察官が加わり、残る2人は最高裁が推薦した裁判官だった。
法制審の議論に対しては「結論ありきだ」という批判が根強いが、こうしたメンバー構成に偏りがあることが背景にあるといえそうだ。

●研究者「うわさが裏付けられた」
岡本准教授は、刑事手続の立法過程に検察が法務省を通じて強く関与する状況を「検察官主導型の刑事司法(広い意味での検察官司法)」と捉え、その影響を研究している。
今回の文書について、次のように評価する。
「学会のうわさとしては聞いたことがあったが、実際にこの文書を見ると、やはり検察官である刑事局長が法制審の委員・幹事を事実上選んでいたということがわかる。それが裏付けられただけでも大きな意味があります」


