介護用歩行器の主な種類

介護用歩行器にはいくつかの種類があり、使う方の筋力やバランス、認知機能、使用場所によって向いている機種が異なります。見た目が似ていても、操作のしかたや必要な身体機能には違いがあります。
固定型歩行器
固定型歩行器は、4本の脚とフレームが固定された形の歩行器です。利用する方は歩行器全体を持ち上げて前へ置き、その中に身体を移すようにして歩きます。脚先にはゴムがついているため、床に接したときの安定性が高く、しっかり体重を支えやすい点が特徴です。両足に十分な体重をかけにくい方や、ゆっくり一歩ずつ歩きたい方に向いています。一方で、歩行器を持ち上げるための上半身の力と、その際に姿勢を保つ力が必要です。
交互型歩行器
交互型歩行器は、左右のフレームを別々に前に出せる構造になっています。歩行器全体を持ち上げる必要がなく、左右を交互に動かしながら前に進めるため、固定型より操作しやすいと感じる方もいます。常に歩行器の一部が床についている形になりやすく、移動中の安定性を保ちやすい点も利点です。上半身の筋力がやや弱い方でも使いやすいことがありますが、左右の腕を交互に動かすための理解力や関節の動きは必要です。
キャスター付き歩行器
キャスター付き歩行器は、脚部に車輪がついたタイプで、歩行車と呼ばれることもあります。持ち上げる必要がなく、前へ押しながら進めるため、よりなめらかな移動がしやすい点が特徴です。屋外でも使いやすい製品があり、ブレーキや座面、荷物入れがついたものもあります。その一方で、車輪があるぶん前に進みやすく、使う方の歩く速さより速く動くと転倒につながることがあります。ブレーキを適切に使えるか、歩く速さを自分で調整できるかが重要です。
歩行器を利用するメリット

歩行器の導入は、移動しやすくするだけでなく、生活全体によい影響をもたらします。転倒を減らすことや活動量を保つこと、ご家族の介助負担を減らすことなどが主なメリットです。
転倒リスクの軽減
歩行器の大きなメリットは、歩行時の安定性が高まり、転倒しにくくなることです。高齢の方にとって転倒は、骨折や頭部打撲の原因になるだけでなく、その後の入院や寝たきりのきっかけにもなります。歩行器は床に接する部分が広く、身体を囲むように支えるため、ふらつきがある方でも姿勢を保ちやすいです。また、手や腕でも体重を支えられるため、足腰にかかる負担が分散されます。膝や股関節の痛みがある方や片足に十分な体重をかけにくい方にとっても、歩きやすさにつながります。
活動量の維持と筋力の低下予防
歩行に自信がなくなると、トイレや食事の場面でも移動を避けるようになり、椅子やベッドで過ごす時間が長くなりやすいです。活動量の低下は、下肢筋力の低下や体力低下につながります。歩行器を使って安全に移動できるようになると、生活のなかで歩く回数を維持することにつながります。
介護側の負担軽減
歩行器の導入は、ご家族や介護者の負担軽減にもつながります。歩行が不安定な方を支えながら移動介助を行うと、介助する側にも力が必要で、腰や肩への負担がかかります。常に転倒しないか見守り続ける精神的な負担も小さくありません。
歩行器を使うことで、ご本人が自分で歩ける範囲が広がれば、介助者は全面的に身体を支えなくてもよくなる場合があります。見守り中心で対応できる場面が増えると、介護の負担感は大きく変わります。

