特発性拡張型心筋症の主な原因
以前は原因不明とされていましたが、最近では遺伝性(家族性)、非遺伝性(非家族性)が原因と考えられるようになりました。
成人の拡張型心筋症では、両方の原因が合わさって起こることも多いとされます。
遺伝性(家族性)
家族性拡張型心筋症では20~40%で遺伝子変異が起こるとされています。
心臓の筋肉を構成するタンパク質の一つにタイチンといわれるものがあります。このタイチンを設計するための遺伝子情報に異常を来すと、心臓の筋肉(心筋)の構造や働きに異常が起こり、拡張型心筋症を発症することがあります。
また細胞核の中にラミンA、ラミンCというタンパク質があり、これは細胞核の形や強さを保える骨組みのようなタンパク質です。このタンパク質を作るための遺伝情報に異常がある場合にも心筋に異常が起こり、拡張型心筋症などの病気を引き起こすようになります。
家族性拡張型心筋症の人は、必要に応じて専門の病院で遺伝子検査が行われることがあります。
非遺伝性(非家族性)
非遺伝性の原因は未だ不明な点も多いのですが、慢性的な心筋の炎症や、自己免疫反応(自分で自分の体を攻撃してしまうこと)などの関与が考えられています。
なんらかのウイルス感染がきっかけとなり、自分で自分の心筋の細胞を攻撃することが原因ではないかといわれていますが、詳しい機序に関しては現在も研究中です。
特発性拡張型心筋症になりやすい人の特徴
特発性拡張型心筋症とは、「明らかな原因がなく起こる拡張型心筋症」のため、なりやすい人を特定することはなかなか難しいといえます。
男性に多いことと、家族性に発症することがあることが知られています。
男性に多い
診断される年齢としては、60歳前後が多いという報告があります。ただし、それ以外の年齢層の人でも診断されることはあります。
また男女比では、2.6:1と男性に多い傾向がみられます。
遺伝性(家族性)
遺伝子の異常により、心臓の筋肉を構成するタンパク質や細胞核のタンパク質を作る遺伝子情報に変異が生じることがあります。ご家族の中で、拡張型心筋症と診断された人がいる場合は、自覚症状がなくても定期的に健康診断を受診したり、心電図や心エコー検査したりすることが早期発見につながります。

