特発性拡張型心筋症の余命・生存率
特発性拡張型心筋症に限った大規模な生存率データは限られていますが、拡張型心筋症全体としての予後については、いくつかの報告があります。
日本では拡張型心筋症が心臓移植の原因疾患として最も多く、2018年8月までに実施された408例の心臓移植のうち、68%が拡張型心筋症を原因とするものとされています。
拡張型心筋症については、平成11年の厚生省の調査によると5年生存率は76%となっており、亡くなる原因の多くは心不全や不整脈によるものとされています。
最近では、薬物治療、心臓再同期療法、植え込み型人工心臓など様々な治療の選択肢が広がっており、予後は改善してきているものと思われます。
特発性拡張型心筋症の検査法
これらの検査は、拡張型心筋症を診断するとともに、高血圧や弁膜症、冠動脈疾患など、原因となる他の病気を除外する目的で行われます。
心電図
健康診断などでもよく行われている検査です。一般内科や循環器内科など広く実施されています。
心房・心室の拡大、心筋の伝導障害、不整脈などの診断に役立ちます。
外来で行う検査であり、体への負担もありません。
そのほか、ホルター心電図など長時間心電図を記録する検査もあります。これは主に不整脈の診断に役立ちます。
心エコー
超音波を使い心臓の機能を計測する検査です。
外来で行うことができ、拡張型心筋症の診断に欠かせない検査となっています。
心臓の筋肉の動きを見たり、弁膜症を調べたりすることができます。
主に循環器内科で行われます。
MRI検査
MRIとは、磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging)の略語です。強い磁石と電磁波で体内の状態を把握します。とくに心筋の状態や性状を詳しく調べるのに有効な検査です。
心臓MRIの目的としては、
①心臓の機能評価
②その他の心筋症との鑑別
③心筋の性状評価
④重症度・予後の評価
があります。
多くの場合、循環器内科の外来で実施されます。
核医学・CT検査
核医学検査では放射性同位元素が心筋に取り込まれる程度を見ることで、心筋の細胞の状態を画像化・定量化することができます。心筋組織の状態を見ることができ、心筋の血流、心臓交感神経機能の評価にも有効です。
心臓CTでも心臓の形態評価、壁運動評価、冠動脈の形態や狭窄の有無を評価することができます。
多くの場合、循環器内科の外来で実施されます。
心臓カテーテル検査
心臓を栄養している血管(冠動脈)に直接造影剤を注入し、その流れを透視で見ることで、冠動脈の狭窄・閉塞を調べます。
左心室に造影剤を流すことで、左心室の収縮程度、弁膜症の程度を評価できます。
心筋生検といって心筋をごくわずかに採取し、炎症や特殊な心筋疾患がないかを調べる検査を行うこともあります。
また心臓の内圧を測定することで、心臓にどれだけの負荷がかかっているのかも評価することができます。
いずれも入院が必要な検査であり、循環器内科で行われます。
検査だけであれば、2~3日程度の入院となります。

