肝機能検査は何の項目で何がわかる?メディカルドック監修医が健診のAST/ALT等主要項目の意味や基準値、注意したい肝臓病等を解説します。

監修医師:
木村 香菜(医師)
名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。
肝臓の健康度がわかる肝機能検査とは?
肝臓は体内で栄養の代謝や解毒、タンパク質の合成など多くの働きを担っています。肝臓に異常が起きても自覚症状が出にくいため、健康診断や人間ドックで行う血液検査が重要です。肝機能検査では、血液中の酵素やタンパク質などを測定し、肝臓の状態を評価します。
肝機能検査項目の3つの分類
肝細胞のダメージを示すもの、胆汁の流れに関係するもの、肝臓の働きを示すものの3つに大きく分けられます。これらを総合的に評価し、肝臓の異常や病気の可能性を判断します。
肝細胞の障害を見る項目
細胞が壊れると、そのなかにある酵素が血液のなかへ漏れ出します。肝臓の細胞に特徴的なものもあります。この変化を利用して肝細胞のダメージを推測する検査が、ASTやALTなどです。急性肝炎や慢性肝炎、脂肪肝などで数値が高くなるケースがあります。ただし筋肉や心臓の障害でも上昇する場合があり、ほかの検査結果と合わせて評価します。
胆汁の流れ(胆道系酵素)を見る項目
肝臓で作られた胆汁は胆管を通って腸へ排出されます。この流れに異常があると、γ-GTPやALPなどの酵素が血液中で増えます。腫瘍などで胆汁の流れが妨げられると数値が変化することがあります。肝細胞の障害とは異なるタイプの異常を見つける手がかりになります。
肝臓の合成能力(予備能)を見る項目
肝臓は体内で多くのタンパク質を作っており、その代表がアルブミンです。肝機能が低下すると、こうしたタンパク質の産生が十分に行われなくなります。これらの検査は、肝臓がどれだけ働けているかを評価する指標です。特に、アルブミンやコリンエステラーゼなどの値は、慢性的な肝疾患や肝硬変などを診断するうえでも重要です。

