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【ちょっと不気味?】マネ《フォリー・ベルジェールのバー》〜映す鏡は嘘をついているのか、ひと目でわかるのに、ひと目ではわからない絵

観客は、ただの鑑賞者ではいられなくなる

この絵の面白さは、謎を仕掛けたこと自体ではなく、その仕掛けが見る者の身体感覚にまで及ぶところにあります。私たちは女性の正面に立っているように感じながら、鏡の中ではその位置を見失う。彼女はこちらを見ているようでいて、同時に別の人物とのやりとりの中にいるようにも見える。

この作品は見る者を「確信をもって全体を理解できる位置」から外してしまいます。だからこの絵の前では、私たちは安全な距離から場面を眺めることができません。見ることそのものが、すでに作品の一部になっているのです。

彼女は、当時の社会のどこに立っていたのか

この女性をめぐっては、当時の社会状況も重要です。Gettyは、フォリー・ベルジェールのバーの女性たちが、同時代の多くの観察者から、秘密の売春にも応じうる存在と見なされていたと説明しています。Google Arts & CultureのCourtauld由来の解説でも、この場所は売春婦へのアクセスで知られ、バーの女性たちは「飲み物と愛の売り手」と呼ばれたことが紹介されています。
もちろん、作品中のスュゾン個人について何かを断定することはできません。けれど、この絵の女性が、接客の労働者であると同時に、男性の視線のなかで別の意味を帯びうる存在として描かれているのは確かです。カウンターに並ぶ酒や果物と同じ前景に彼女が置かれていることも、そのことを静かに示しているように見えます。

配信元: イロハニアート

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