「バリウム検査」はなぜ”胃がん検診”で行われる?メリット・デメリットを医師が解説!

「バリウム検査」はなぜ”胃がん検診”で行われる?メリット・デメリットを医師が解説!

バリウム検査後の下剤と注意点

バリウム検査の後に下剤を渡されると思います。別に便秘ではないし不要だと思われる方もいるかもしれませんが、思わぬ落とし穴もあります。理由も含めて解説していきましょう。

バリウム検査で処方された下剤は必ず飲むべき?

バリウム検査のあとは、飲んだバリウムを速やかに排泄する必要があります。そのために下剤を服用し、なるべく早く排泄するように促すのが重要です。検査で飲んだバリウムは体内で水分が吸収されていくと徐々に固まっていきます。個人差はありますが、10時間以上排泄がないと、バリウムが固まってくる可能性がでてくるとされています。なるべくバリウムが固まる時間を遅らすためにも、下剤とともに水分の摂取を多くすることも大事です。

バリウム検査後にバリウムが排便されないと体調不良になる?

バリウムが排出されないと、腸管の中で固まっていきます。少量であれば固まった後でも便とともに排出されますが、大量に腸管に残って固まってしまうと一つの大きな塊となり、腸閉塞の要因になります。腹部膨満感、腹痛、嘔気・嘔吐の要因になり、外科手術での対応が必要になる可能性もあるため気をつけなければなりません。

胃がん検診はバリウム検査と胃カメラどちらがいい?

ここまでバリウム検査について解説してきました。では実際のところ胃がん検診はバリウムと胃カメラのどちらが勝っているのでしょうか。

バリウム検査のメリット・デメリット

バリウム検査のメリットは、うまく写真を撮れる条件を整えれば、誰がとっても同じような撮影が可能です。また胃全体の形や変形を見ることができるため、胃が固くなるようなスキルス胃がんは胃カメラよりも検出しやすい場合があります。本人の負担も体位をいくつか変えながらX線撮影をするだけなので、胃カメラを受けるよりも我慢する時間は短いです。医師がいなくても検査ができることや、X線の機械だけで対応できるため、スペースやコストが少なく済み、短時間で多くの人を検査することができるのもメリットと言えます。
デメリットとしては、放射線の被ばくを避けられないこと、うまく写真を撮るための体位やタイミングをとることが難しく、小さな胃がんを見つけるのが難しいことが挙げられます。また飲んだバリウムを排泄するため下剤を飲む必要があること、バリウムがうまく排出できなかった場合の対応も必要です。近年は胃カメラの普及に伴い、バリウム検査の写真を診断する頻度が少なくなっています。できた写真を診断する医師の負担と精度の確保も問題になってきています。

胃カメラ(内視鏡)との違い

胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)とバリウム検査は、どちらも胃がんやポリープ、潰瘍、炎症などの胃の状態を評価するための検査です。以下のような違いがあります。
胃カメラは、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察できるため、病変があった場合の大きさや位置を正確に判断できます。さらに病変の一部を採取して病理診断を追加することも可能です。そのため、胃がんなどの早期発見・確定診断をするのに適しています。慢性胃炎の状態もわかるため、ピロリ菌感染があるかどうかも推定が可能です。
バリウム検査は、バリウムと発泡剤を飲んでX線を照射し、胃の壁の表面にバリウムを付着させて撮影します。胃の粘膜全体像を観察でき、病変の形や大きさ、位置、硬さなどを客観的に把握できますが、その病変が癌なのか、ポリープなのかは判断できません。そのため「癌を確定する」ということはできない検査です。

配信元: Medical DOC

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